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柴田 淳 - 「みんなのPython」の著者・機械学習講師
@ats
【新刊】みんなのPython第五版(二刷),Pythonで学ぶはじめてのプログラミング入門教室などの著者。大手予備校をはじめ機械学習講師。たまに企業や学会,技術イベントに呼ばれてお話しします。
参加 April 2007
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AIが大学の課題を解けるようになった結果、大学の価値は「知識を教えること」から「人間と学ぶこと」へ移り始めています。MITが選んだのはAI禁止ではなく、AIが存在することを前提に大学そのものを作り直す道でした。 MITのAI教育委員会は、現在の生成AIについて「ほとんどの学部課題を信頼できる水準で完成させられる」と評価しています。レポートや問題セットを提出させ、その出来から学生の理解度を測る従来型の評価は、もはや十分に機能しない。そのためMITは、ほぼすべての授業を見直し、口頭試問やポートフォリオ、提出物について本人と直接議論する方法などへの移行を提案しています。 ただしMITの答えは、学生からAIを取り上げることではありません。各授業でAIをどこまで使ってよいかを明確にし、AIを使いこなす能力と、AIに頼らず自分で考える能力の両方を育てる「AI-aware」な教育を目指します。AIの進歩が速いため、一度カリキュラムを変更して終わりではなく、授業や評価方法を継続的に更新できる仕組みも必要だとしています。 ここで話は「AIカンニング対策」から、もっと大きな問題へ進みます。AIが説明し、問題を解き、文章を書き、個別指導までできるなら、学生は何のために大学という場所へ行くのでしょうか。 MITが重視しているのが、教員との対話、学生同士の議論、実験や実習、共同研究といった人間同士でしか作りにくい学習体験です。勉強会やオフィスアワー、学部生の研究参加といった大学文化そのものがAIによって変わる可能性があるとして、学生と教員が直接交流する物理的な空間を強化することまで提案しています。コーンブルース学長が強調するのも「人間による、人間のための教育」です。 これはかなり皮肉な展開です。知的作業を自動化する最先端技術が普及するほど、教育では口頭試問、対面での議論、実験、共同作業といった、むしろ古典的な方法の価値が高くなる。AIが大学をデジタル化するのではなく、大学をより「人間的な場所」に戻しているとも言えます。
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