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Itaru Tomita / 冨田到
@itarutomy
リサーチや研究開発向けの生成AIエージェント @snorbe_ai を作っています。 @deskrex | 著書 かんき出版『知的生産でAIを使いこなす全技法』 
参加 January 2018
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深層学習の歴史を振り返ると、AlexNetが「手作業で工程を分けるより、入力から出力まで丸ごと1つのモデルで学習させる(end-to-end)方が強い」ことを示したのが革命の始まりだった。ところが生成AIだけはこの流れに乗り切れていない、という指摘から始まる論文が公開された(https://arxiv[.]org/html/2607.27372v1)。 拡散モデルや自己回帰モデル(要素を1つずつ順番に予測して生成するモデル)など、今の生成AIはどれも「生成の手順を細かいステップに分解する」ことで動いている。拡散モデルなら、ノイズだらけの画像を少しずつクリアにしていく数百ステップだ。これは「1つの入力に無数の正解がありうる」多峰性(複数の正解パターンがある)分布を、各ステップではほぼ一意な予測に絞り込むための工夫だが、この分解のせいで学習時(1ステップだけ予測)と推論時(数百ステップ繰り返す)でやっていることが食い違い、end-to-end(学習と推論の手順を完全一致させる訓練方式)にはなっていなかった。 この論文の「Explorative Modeling(探索的モデリング)」は逆転の発想で、生成の手順は分解せず学習ループ自体を分解する。各学習ステップでモデルに複数の候補を生成させ、正解データに一番近いものだけを使って学習する(best-of-k方式)。候補が1個だとモデルの最善手はすべての正解の平均になりぼやけた画像しか出せないが、候補をk個に増やすとそれぞれが別々の正解パターンを担当できるようになる。論文中の犬画像の比較が分かりやすく、候補1個ではほぼ完全にぼやけた模様、候補50個まで増やすと元画像とほぼ見分けがつかない鮮明さになっている。 この「探索の量」はパラメータ数・データ量に続く第三のスケーリング軸として機能し、画像・動画・言語のすべてで性能が単調に向上する。しかも効果はスケールが大きくなるほど強く、データ量を増やした場合の改善幅は7%から36%へ、モデルサイズを増やした場合は13%から23%へ拡大した。効率面ではFLOP(計算量)効率が4.1倍、サンプル効率が6.2倍、パラメータ効率が47%改善し、最強の画像生成レシピではImageNet 256×256でガイダンスなし1.43 FID(生成画像の品質指標、小さいほど良い)というほぼ最先端の性能に到達している。動画生成では過学習も抑えられ、FVD(動画品質指標、小さいほど良い)の最良値が探索なしの37.5から探索ありで30.0まで改善した。 さらにロボット制御タスクでは単体のend-to-end生成モデルとしても機能し、拡散モデルベースの手法と同等の性能を推論ステップ数16分の1から256分の1で達成した。数百回繰り返していた予測が、たった1回の計算で済むことになる。
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