2002年の『サンデープロジェクト』で、高市早苗氏は満州事変について、「少なくとも私はセキュリティのための戦争だと考えています」と発言していました。
田原総一朗氏から「そんな無知で国会議員をやっているのはおかしい」と指摘され、司会者からも「中国人の自存自立はどうなるのか。そんな幼稚なことを言っていては駄目だ」と厳しく批判されました。
注目すべきなのは、批判を受けても歴史的事実や相手の論点に応答せず、あらかじめ用意した主張を機械的に繰り返していたことです。
これは単なる知識不足というより、先に政治的な結論を置き、その結論に都合のよい言葉で歴史を再構成する姿勢に見えます。
満州事変を「安全保障のための戦争」と呼べば、侵略や植民地支配の問題は、便利な「セキュリティ」という言葉の陰に消えてしまいます。歴史を理解するというより、現在の政治思想に合わせて過去を編集しているのでしょう。
このような政治家が権力を握れば、まず「日本を強く豊かに」というナラティブをつくり、その後から事実をナラティブに合わせることになります。
内容が乏しく、専門家から容易に反論されるものであっても、支持層が求めているのが検証可能な事実ではなく、感情的に共有できる物語であれば問題にはなりません。
そもそも知的な批判に応答するための言説ではないため、専門家や反対派から何を指摘されても、平然と無視できるのです。
事実によって結論を修正するのではなく、結論を守るために事実を選別する。
歴史修正主義とポピュリズムは、この点で極めて相性がよいのでしょう。
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