敷地面積約1万平米という広大な空間に、巨大な大仏から昭和のレトロ玩具、マネキン、剥製までが脈絡なく埋め尽くす「#
まぼろし博覧会」。この“カオスの極み”とも言える聖地で、ひと際強烈な輝きを放っているのが、名物館長の「##
セーラちゃん」だ。#
カラフルなウィッグにミニスカートのセーラー服という、一度見たら夢に出そうな奇抜なビジュアルで毎日年中無休、来館者をハイテンションで出迎えてくれる。一見すると強烈なインパクトのキャラクターだが、その一挙手一投足からは、単なる悪目立ちではない、ある種の確信犯的な哲学が漂う。
実はこの広大な楽園は、全国で閉館した秘宝館や博物館の遺品を引き取り、セーラちゃんがたった一人で増殖・修復し続けているものだ。効率性や綺麗さばかりが求められ、役に立たないものが次々と排除されていく現代社会において、行き場を失くした昭和のキッチュな遺物たちを全肯定し、すくい上げるシェルターのようでもある。
「自分がアホになって、ここに来た人たちが嫌なことを全部忘れて笑顔になってくれればいい」と語るセーラちゃんは、開館前や閉館後、自ら重機を運転し、ノコギリとペンキを握る生粋の表現者だ。その圧倒的なDIY精神に触れたとき、まぼろし博覧会は単なるB級スポットではなく、正体不明の怪物が人生をかけて作り続ける「現代の巨大なポップ・アート」、あるいは近代化への強烈なカウンターとして私たちの前に立ち現れてくる。