国旗損壊罪創設や皇室典範改正の衆院本会議採決で、くたびれた顔のおじさん議員に囲まれ、高市早苗氏は一人感無量の面持ちでほほ笑んでいた。あの一種異様な笑みを、人柄や能力で理解するのは難しい。
自民党職員が昔「条件の不利な自分はウソをついてもいいと信じている人」と形容していた。
行政府の長が国会に出たがらない。議論を嫌い、一方的に話すか、ごまかす。
議会の慣例を無視し「首相の命令や」でゴリ押ししようとする。批判には「私寝てないの」「家事も大変」「体が痛い」とSNSで愁訴する。
首相に仕える政府高官に水を向けると、こういう解説になる。「そんなことも分かってないのって驚かされることが多く、知っているつもりでも目配り不足で間違っているのに、資料読むだけで誰の説明も聞かないから」
日の丸と天皇制。戦争の記憶と結びつく国の二つの象徴は、戦後日本を築く上で日本人が自らを省みる戒めとなり、軍事タブーのフィルターでもあった。
伊藤智永
@mainichi専門編集委員