クレジット決済代行大手「株式会社 全東信(ぜんとうしん)」が大阪地裁へ自己破産を申請し、手続き開始決定を受けました。
負債総額は約1,259億円に上り、今年最大規模の大型倒産となります。
「お金を仲介するだけ」のビジネスがなぜ破綻したのか、そして今後の連鎖倒産リスクや一般消費者が注意すべき点について解説します。
1. なぜ「右から左へお金を流すだけ」の会社が倒産したのか?
通常であればリスクの低い仲介業ですが、同社には過剰なサービスと致命的な闇がありました。
・「過剰な先払い」による資金ショート
同社は「週2回・月6回入金」という超高速サイクルで店舗に売上金を先払いしていました。
カード会社から実際の資金が届く前に自社(銀行融資など)で立て替えていたため、コロナ禍で手数料収入が激減する中、利息等の負担が膨らみ資金繰りが悪化しました。
・コンプライアンス違反による信用の失墜
2024年、本来なら審査に通らない悪質な店舗をダミー名義でカード審査に通していた不正が発覚し、幹部が逮捕・書類送検。これにより大手カード会社からの契約打ち切りや銀行からの融資ストップを招き、致命傷となりました。
・預かり金の流用(自転車操業)
資金ショート後、加盟店に渡すべき売上金を自社の借金返済などに流用する自転車操業に陥り、融資が完全に止まったことで一気に破綻へ追い込まれました。
2. 懸念される加盟店の「連鎖倒産」リスク
同社の決済端末は即時停止し、まだ店舗に入金されていなかったカード売上金は回収不能になる可能性が高い状態です。
特に、この早い入金サイクルに依存していた歌舞伎町やミナミなどの歓楽街にある飲食店(キャバクラ、ホストクラブ、個人居酒屋など)を中心に、従業員給与や家賃が払えなくなる連鎖倒産(黒字倒産)の発生が強く懸念されています。
また、これらの業態は大手決済代行の審査が厳しいため、すぐに次の決済手段を用意できない二次災害も予想されます。
3. 一般の買い物客(消費者)が注意すべきポイント
今回の件で、消費者が直接的な金銭被害に遭うリスクは極めて低いです。
パニックになる必要はありませんが、実務的なトラブルを避けるために以下の点に注意してください。
・お店で突然「カード不可」と言われる可能性
全東信のシステム停止に伴い、同社契約の店舗ではカードが一切通らなくなっています。
会計時に焦らないよう、事前に確認するか、いつもより多めに現金を持って出かけるのが無難です。
・多重決済(二重請求)のエラーに注意
お店側がシステム停止を知らずに「端末のエラーかも」と何度もカードを通した場合、稀に二重に請求が上がってしまうトラブルが懸念されます。
今後1〜2ヶ月はカードの利用明細をこまめにチェックし、身に覚えのない重複請求があればカード会社へ連絡してください。
まとめと今後の影響
今回の巨額倒産を機に、預かり金の分別管理義務が緩かった業界のグレーゾーンに対し、国・関係省庁などによる法規制や監査が強化される可能性があります。
また、店舗側も今後は「財務基盤の手堅い大手(リクルート、楽天、三井住友系など)」へ契約を移行させる動きが加速するでしょう。
店舗側にとっては死活問題となる深刻な事態であり、未入金の打撃を受けた店舗の閉店・倒産ニュースが今後数ヶ月にわたり局所的に続く可能性があります。
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