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望月優夢|アイドル評論家
@you_your_yumu
アイドル評論家。「ファン×演者×プランナー」という3つの視点からアイドルビジネスを俯瞰する連載『#アイビズ』を# noteで執筆中▶︎ MEDIA MIXIオフィシャルライター
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BTSの7人が、2027年のグラミー賞に作品をエントリーしないことを発表しました。 ✅ メンバー7人がそれぞれのInstagramストーリーで「今年のグラミーにエントリーしないことにしました」と表明 ✅ 理由として「音楽が地域や言語で区別されるより、音楽そのものとして聴かれ、愛されることを願う」と説明 ✅ 背景にあるのは6月に発表された新部門「Best Asian Pop Music Performance」。アジア市場発かつアジア言語の実質的な使用が要件で、全編英語詞の曲は対象外という設計 ✅ 『ARIRANG』は主要部門の候補にも名前が挙がっていたが、アジア部門だけでなく応募そのものを見送った形に 個人的に興味深いのは、この同じ新部門が、日本と韓国でほとんど逆の意味に読まれていることです。 7月には、SKY-HIとBE:FIRSTのメンバー6人がグラミーを主催するレコーディング・アカデミーの新会員に選出されました。アジア部門の新設が発表された直後のタイミングで、選考の内側に席を持つ側に回っています。ここから見ると新部門は、日本語で歌い切った曲がそのまま世界の土俵に乗る入口に見えます。 なので今回のBTSの発表には驚きました。とはいえ冷静に立ち止まって考えると、新しい棚ができることは、まだ置き場所がなかった側にとっては、並べてもらえる場所ができたということですが、 一方、すでに目立つ場所に並んでいる側にとっては、専用棚ができたぶん「そちらに置いておけばいい」と扱われる余地が生まれるということだなと。 同じ制度が、機会にも制約にも見える。違いは制度の側ではなく、見ている人が今どこに立っているかにあるのだと思います。 もうひとつ注目したいのが、グラミーがエントリー制だという点です。出さなければ候補にもならない仕組みなので、「降りる」は本来かなり重い選択のはずです。それでも成立するのは、チャートやワールドツアーといった、賞に依らない評価の経路を自前で持っているからこそできる姿勢だなと。 賞が権威を与える構造から、参加してもらうことで権威が保たれる構造へ。 評価装置とアーティストの力関係が静かに入れ替わりつつある場面のように思います。 この差がどう動いていくのか、2027年2月に向けて引き続き追っていきたいと思います。
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クラウドナインが5月にLAで開催した音楽フェス「Zipangu」。社内の最初の試算では、最悪の場合10〜15億円の赤字という数字が出ていたという裏話をラジオで語られていてめちゃくちゃ面白かったです。 ✅ 会場はパサデナのBrookside at The Rose Bowl、キャパは約35,000人 ✅ 出演はAdo、新しい学校のリーダーズ、ちゃんみな、HANA、MAN WITH A MISSION、千葉雄喜、10-FEETの7組 ✅ 同じ会場でソロのワンマンをやっても埋まるが、フェスにすると制作費は7倍以上 ✅ 来場者のうち日本からの渡航は5%ほどで、残りは現地のお客さんだったとのこと 個人的に一番面白いのは、成功の定義のほうです。 クラウドナイン代表の千木良さんが挙げていたのは、当日の収支ではありませんでした。 出演したアーティストがこの先ビザの取り方を覚えて、現地のイベンターと関係を作って、自分で会場を押さえられるようになって、自力で世界ツアーを組めるようになったら成功だ、という話です。 つまり成果指標が、来年以降に出演者が自走できるかどうかに置かれている。 事務所のビジネスとしてはかなり独特だと思いました。自社アーティストの売上を最大化するだけなら、制作費7倍のフェスを選ぶ理由はない。やっていることは、日本のアーティストが海外に出るための踏み台をつくる、業界インフラへの投資に近いです。 海外進出のハードルは、お金そのものよりビザ・現地イベンター・会場・実績といった経験値の不足で、これは一社で抱え込むより通り道を作ったほうが早い。 誰かが最初に赤字を飲んで道を通さないと、後続はいつまでも同じ場所で足踏みすることになります。 Zipanguは来年以降も続ける方針とのことで、ロサンゼルス以外の都市も視野に入っているそうです。次に誰がヘッドライナーに立つかで、この投資が効いたかどうかが見えてくると思います。
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アソビシステム中川社長の『バズった日がリリース日』という考え方、ラジオでご本人の口から背景まで語られていてめちゃくちゃ面白かったです。 ☑️新しい学校のリーダーズ「オトナブルー」はリリースから約4年後にヒット ☑️CANDY TUNE「倍倍FIGHT!」もブレイクは約1年後 ☑️売れなければMVを作り直す、シングルをアルバムに再パッケージするなど「技」を仕掛け続ける ☑️そもそも「発売日が最高熱量」という固定概念自体を疑っている 個人的に一番面白いのは、これが精神論ではなく「リリース日の定義の書き換え」だという点です。 従来の音楽ビジネスは、発売日に向けて宣伝を積み上げる打ち上げ花火型でした。初動が全てで、外したら次の曲へ。 でもSNS時代は、初速をレーベル側がコントロールできない代わりに、過去曲にも何度でも打席が回ってきます。 だとすると発売日は「ゴール」ではなく「在庫登録日」。良いクリエイティブをストックしておき、アルゴリズムやファンが波を起こした瞬間に、組織が全力で追い風を吹かせる。番組出演の直後に週末のLINE会議で決めて翌月頭に韓国語版をリリースした、というCUTIE STREETの速度も、この思想の実装に見えます。 「いいものを作っておけば、いつでも世の中に知ってもらえるチャンスがある」という言葉は、ヒットを”点”ではなく”確率の運用”として捉える経営観だと思いました。 他にもKAWAII LAB.の話、アソビシステムの話含めて色んなお話が聞けるのでぜひ聞いてみてください。
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