山田五郎さんは大学時代
オーストリアのザルツブルグ大学に
西洋美術史の遊学をしていた。
「理論なんか日本でも学べるんだから、とにかくホンモノを見て帰れよ」
という現地教授のアドバイスで、ユーレイルパスを使ってヨーロッパ中の美術館を巡っていた。
…イギリスのナショナルギャラリーに行ったときの話。
山田さんが熱心に見入っていたのが地下の「贋作コーナー」
ギャラリーが真作と思って購入した作品が贋作と判明したり、
本人作だと思ったら工房作だったりしたものを、
その鑑定理由も詳細に付けて展示してあった。
それを山田さんがずーっと興味深そうに見ているから、
ギャラリーの職員に声をかけられ
「それが面白いのか?じゃ、もっといっぱいあるからコッチ来い!」
…で、ついて行ったら、
さっきのコーナーよりずーっと収蔵数の多い
「贋作倉庫」みたいな場所に連れていかれて、
ギャラリーがどこで鑑定を間違えた(つまり、どこでホンモノを見分ける)か
思う存分勉強できたそうだ。
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