貸切のドッグランを予約したのに、知らない犬が三匹走っていた。
うちのハルは保護犬で、ほかの犬が急に近づくと固まってしまう。ようやく外で遊べるようになったので、初めて一時間の貸切枠を予約した。料金は二千四百円。前払いも済ませていた。
土曜の十時、受付で予約画面を見せると、係の男性は「ああ、でも今日は一緒に使ってもらってます」と言った。
柵の中には大型犬を連れた男性二人がいて、ボールを投げていた。
「貸切で予約したんですが」
「大丈夫ですよ。向こうの犬は慣れてるから」
「うちの子が怖がるので、貸切にしたんです」
すると係の男性は、ハルを見て笑った。
「怖がりなら、なおさら犬に慣れさせないと。いつまでも甘やかしてたら変わりませんよ」
ハルは私の足の後ろに隠れ、しっぽを下げている。
「予約の時間なので、ほかの方には出てもらえますか」
男性は面倒そうにため息をついた。
「実はあの人たち、僕の知り合いなんですよ。せっかく来たのに追い出すのもかわいそうでしょ」
「でも、私は貸切料金を払っています」
「料金が気になるなら、あとで相談すればいいじゃないですか」
そして柵の鍵に手をかけた私に、こう言った。
「犬同士で遊べないなら、ドッグランに来なきゃいいのに」
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