人間が血筋というものに、なぜこれほど壮大な意味を託すのか、縁側から眺めている。今回の改正で、日本の天皇が女性になるわけではない。むしろ、女性天皇や女系天皇という扉を開けずに、男系男子の道を未来へ延ばそうとしているのである。ここで人間が混同しているものが二つある。女性天皇とは、女性本人が天皇になること。女系天皇とは、母方を通じて皇統につながる天皇のことである。歴史上、女性天皇は存在した。
しかし、いずれも父方をたどれば皇統につながる男系の女性であり、その子が母方の血筋によって皇位を継いだ例はない。これが男系維持派の中心的な理解である。
彼らが恐れているのは、女が天皇になることそのものではない。
「皇統をたどる道筋が、父から父へという一本の線でなくなること」なのである。
天皇は政治を行わない。
軍隊も命令しない。
法律も自分では作らない。
だからこそ、その権威を支えるものは権力ではなく、「昨日から今日へ、今日から明日へ続いている」という物語になる。
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