扉は、私を守っていた。
長い間、
私は信じていた。
あの扉を開けないと、
私は救われない。
思い出さなければ。
全部思い出したら、
私は自由になれる。
過去と向き合わなければ。
思い出せないことを、
全部知らなければ。
そうしないと、
前へ進めないのだと思っていた。
でも、違った。
その扉は、
私が回復するのを遠ざけるためにあったんじゃない。
小さかった私の心が、
壊れないように守ってくれていた。
だから、
開かなかったんじゃない。
開けないことで、私を生かしてくれていた。
開けられないうちは、
過去との戦いが永遠に続くと信じていた。
だから、
開けられない自分を、
開かない扉を、
責めていた。
ある日、
扉の中にある記憶と
似た体験をした。
でも、気づいた。
大人になった私のそばには、
怖がっていたら、
隣で寄り添ってくれる人がいる。
元気がなかったら、
気づいてくれる人がいる。
ご飯を一緒に食べてくれる人がいる。
もう、扉に閉じ込めておかなくても、
生きていける私になっていた。
だから、
扉は、
無理に開ける必要がなくなった。
扉は、
小さな私を守ってくれていた。
🚪
扉の前に座って、
言いたい気分だ。
ありがとう。
長い間、
私を守ってくれて。
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