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『戦記』教育投資ジャーナリスト
@SenkiWork
●『中学受験の“不都合な真実”』 著者 ●市川→早稲田法→三井物産→UC Berkeley MBA→上場企業CFO→S&P500投資家3.1億円 ●高2娘は鉄緑会+英検1級+IELTS 7.0 ●連絡先 senkiwork@gmail.com /
Joined July 2020
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「低学年思考力算数の問題を解けば解くほど、思考力が破壊されていくシナリオの存在に親が気がつくかどうかが、サピックス小4αとそれ以外を分けると思います。」 予想外に反響が大きかったので僕の仮説を示す。何故我が子の算数が伸びないのか、その原因分析の参考になれば嬉しく思う。 (1)低学年算数の特殊性 低学年算数(=小1-3と定義する)は、実は体系化されていない。これだけやっておけば大丈夫、というカリキュラムは2025年現在でも存在しないのだ。親はまずはこの事実に気が付かないといけない。尚、小4以降は大手塾が体系化されたカリキュラムを提供しているので、あとはがむしゃらに頑張れば良いだけである。 (2)低学年算数の体系化 よって、親サイドにて体系化する必要がある。僕が試行錯誤して研究した結論としては、低学年算数は以下種類に分類可能である。 ①処理算数 公文算数や計算ドリル。「論理的に考えた後」の答えを求める処理に特化した教材である。尚、公文算数は、設計思想的に「論理的思考能力を”伸ばさない”」ことを目指しているので注意が必要である。”伸ばす”ではなくて、”伸ばさない”設計にしているのだ。その代わりに、処理能力を極めることに特化している教材なのだ。公文の歴史を紐解くと分かるのだが、意図的に幾何を捨てているのはこの思想があるからだ。処理に特化することで、生徒が自学自習しやすいようになっている。論理的思考能力がほぼ問われない代数の世界なので、僕は「処理算数」と呼んでいる。 ②直球算数 市販紙教材としては文理の『トップクラス算数』や、RISU算数がこれに該当する。いわゆる文章題や図形問題である。「算数」という言葉から連想される内容そのものなので、僕は「直球算数」と呼んでいる。 ③思考力算数 市販教材としては『きらめき算数脳』、低学年サピックス算数、そして算数オリンピック系(キッズBee)。文章や図形にて記述された諸条件を読み取り、細かい筆記での作業を重ねながら、演繹法にて答えに辿り着教材である。僕は「思考力」という用語は意味が抽象的なので好きではないのだが、「思考力算数」という用語は一般に支持されているので「思考力算数」と呼んでいる。 (3)それぞれの学習方法 上記の①処理算数と②直球算数は、やればやるほど良い結果が出やすい。つまり、投入時間に対してほぼ比例する形で学力がつくと考えて差し支えない。 公文算数を極めれば論理的に考えた後の処理で間違えて失点することも減るし、RISU算数を極めれば一般的な文章題で困ることはほぼなくなるであろう。よって、僕は「時間投入量に対してリスクが少ないのでガンガン解きまくるべき」だと考えているし、小1-3娘に対しては実際にそうした。 しかし、③思考力算数は、やり方を間違えると、時間投入量に比例して論理的思考能力が”破壊される”ことになる。やればやるほど学力が低下するのだ。 (4)思考力算数で危険なアプローチ 先に結論を示す。以下は無駄であり、論理的思考能力の成長を阻害する危険性があるのでお勧めできない。 ①サピックス低学年算数をコピーして、短期間で何回も繰り返して定着させる。 ②サピックス低学年算数をコピーして、数値変え問題を自作して解かせる。 ③きらめき算数脳を解くスケジュールとノルマを決めて、これを忠実に進めていく。考えても解けない場合には、親がヒントを出す。ヒントを出しても解けない場合は、親が解説をする。その上で、次の問題に駒を進める。 以上を読んで、僕の仮説に気がついた方は、これ以上読み進める必要は無い。 仮説に気が付かない方向けに、以下を記載する。 (5)思考力算数の理想的な解き方 以下の通りである。 ①ノルマを決めない。よってスケジュールも決めない。 ②楽々解ける簡単な問題からスタートする。 ③正解した場合は、子供が親に理由を口頭で説明するプロセスにする。親はそれをひたすらに聞く。 ④不正解の場合は、親は一切解説をしない。答えも教えない。不正解であることを告げて、次の問題に進む。 ⑤不正解の問題に対して、数日後に再チャレンジする。 ⑥再チャレンジの結果、正解した場合には「鉛筆を動かして作業をしたことを徹底的に褒める」。解けたことではなくて、作業をしたことを褒めるのが大事。 以上が理想的だと考える。 さて、ここまで僕の長文を読める聡明な方は以下仮説に気がついているはずだ。 「aha momentの数が論理的思考能力を鍛える」 「自分なりに試行錯誤して考える時間の長さこそが学習時間であり、解説付きでこなした問題数はKPIにはなり得ない」 「機械的に問題数をこなすほど、単なるパターン学習暗記に陥る」 「試行錯誤する問題で苦しい時に諦めた時に、親が丁寧に解説してくれるとしたら、最後の最後まで喰らい付いていく論理的思考力と忍耐力を破壊しかねない」 以上
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