60対140。
あの日、私は「悔しい」より先に、無気力になった。
負けたら、悔しい。悔しければ、もっと練習する。
そうやって次へ向かえるものだと思っていました。
でも、私には、それができなくなった時期があります。
・・・
和導先導者の慎です。
@TTKRCJ
大学1年生の時に出場したインカレ(全国大会)。そこで経験した試合は、私のバスケット人生の転機になりました。
私たちは北信越大会を1位で勝ち抜き、全国大会への出場を決めました。
強い先輩方に恵まれ、私も1年生ながら、控えのガードとしてメンバーに入れていただいていました。
対戦相手は、日本大学。
当時は篠山竜青選手などが在籍し、ガード以外は全員190cmを超えるようなチームでした。
ただ、前年には先輩方が全国の舞台でいい試合をしていたこともあり、
「私たちも、やれるんじゃないか」
そんな思いもありました。
結果は、60対140。
80点差でした。
私も数分間、試合に出ました。
当時、私たちはマークをすべてスイッチする守り方をしていたのですが、交代した先にいたのは、195cmを超える選手。
その選手が、目の前で、シュート練習のように3Pを決めてくるのです。
「何これ?」
試合の中で、何度そう思ったか分かりません。
悔しいから、もっと頑張ろう。
そうは思えませんでした。
絶望を通り越して、無気力になってしまったんです。
「何のために、バスケをやっているんだろう」
それまで続けてきたことの意味が、分からなくなりました。
そこから、死に物狂いで練習したわけでもありません。
気持ちが戻らないまま、約1年間、部活を続けました。
当時の私にとって、部活を辞めることも、簡単に決められることではありませんでした。
親にも辞めたいと伝え、話し合いを重ねました。
そして、大学3年生になるタイミングで、バスケ部を辞めました。
今、指導する立場になって、この経験から考えることがあります。
練習には来ているけれど、気持ちが入っていない。
声をかけても、反応が薄い。
そんな選手を見ると、「もっと本気でやればいいのに」と感じることがあるかもしれません。
でも、私は、あの頃の自分を忘れるわけにはいきません。
そこにいるのに、気持ちはそこにいない。
続けてはいるけれど、なぜ続けるのかが分からない。
そういう状態があることを、自分自身が経験したからです。
もちろん、選手が無気力に見える理由は、一人ひとり違います。
私と同じだと決めつけることはできません。
ただ、外から見える姿だけで、「やる気がない」と判断しないこと。
これは、指導する私たちが大切にしたいことだと思います。
もっと練習させる前に。気合を入れようとする前に。
本人が今、何を感じ、何のためにそこにいるのかを知ろうとする。
関わり方を考えるのは、そこからです。
【和導】で私たちが問い直しているのも、相手をどう動かすか、という方法だけではありません。
人を導く自分自身が、何を見て、何を大切にしているのか。
相手の気持ちを確かめないまま、自分の求める姿に当てはめようとしていないか。
私自身、指導する中で、繰り返し確かめていく必要があると感じています。
60対140という結果は、変わりません。
あの時、無気力になり、部活を辞めたことも、私の経験です。
ただ、今の私なら、当時の自分に問いかけたいことがあります。
「もっと頑張れ」ではありません。
あの頃の私に抜けていた、大切な問いです。当時の自分に、今なら何と伝えるのか。
その問いと、今の【和導】につながる考えを、【和導】ラジオ第3話「慎、地獄に落ちる。」のFull音声で話しています。
結果だけでは伝わらない、あの時の経験も含めて、お聴きください。
▼第3話 Full音声
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PS.
もし今、あなたの目の前に、気持ちが入っていないように見える選手がいるなら。
「なぜ、頑張らないのか」と問う前に、その人が何を感じているのか、聞いてみてください。
そして、自分自身にも、問いを向けてみてほしいのです。
「私は、何のためにこの人を導いているのか」
相手への関わり方と、指導する自分の在り方を、ともに見つめていく。
その学びの入り口として、7日間の無料メール講座【和導招門】をご用意しています。
あなた自身の現場を思い浮かべながら、一通ずつ、お読みください。
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