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広木 大地/ エンジニアリング組織論への招待
@hiroki_daichi
株式会社レクター代表/朝日新聞社社外CTO/㍿グッドパッチ、スパイダープラス㍿ 社外取締役/ 日本CTO協会理事 /主著『エンジニアリング組織論への招待』/新著「AIエージェント 人類と協働する機械」発売中/⿻
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「AIで生産性を上げたい」という相談を受けると、少し考え込むことが多い。生産性、つまり分子わる分母を最適化する話が経営の最優先になるのは、トップラインの伸びしろが薄くなった成熟期だからだ。 成長フェーズの経営者が本当に気にしているのは「売上にどう変わるか」で、効率はその手段でしかない。生産性という言葉は現場やミドルにはよく刺さるけれど、経営の意思決定レイヤーとは少しずれている。 同じ施策でも、相手がどのレイヤーで世界を見ているかで語る言葉を変えないと、たぶん届かない。
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締め切りが不安なのは、たいてい「時間が足りない」からではなく、不確実性が見えないまま放置されているからです。人は不安なものを直視したくない。だから確実なタスクから先に片付けて、見えない不安を心に抱えたまま日々を過ごす。これがじわじわと効いてくる。試験前に部屋を掃除し始めてしまう、あの感覚に近い。 不確実性は、実は定量化できます。各タスクの「平均」と「最悪」の差をとれば、どこに不安が偏っているかが見える。そして不安量の大きいものから先に潰していくと、プロジェクト中盤には不確実性が当初の4分の1まで落ちる。不安は気合ではなく、順序で減らせるものなのだと思います。
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実装は速くなったのに、組織全体の生産性はそれほど伸びていない。この食い違いをよく相談されます。 理由を分解すると三つあって、まず本質的な複雑性は残る。アムダールの法則でいうと、判断や設計が4割を占めるなら、実装をいくら速くしても全体は2倍ちょっとで頭打ちになる。次に、空いた余力は次の仕事が設計されていないと消えてしまう。そして三つ目、速さはみんなに同時に配られるので、それ自体は差にならない。 効率化は、生まれた余力をどこに置くかの設計とセットでないと、ただ静かに消えていくのだと思います。
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