欧米や日本では「専門家」たちがホルムズ海峡の「管理」を主張するイランのイスラム革命防衛隊を「強硬派」としているが、米国との交渉を主導しているのは革命防衛隊系の安全保障エリートたちであり、イランで強硬なのはイラン国民、特にイスラム体制を支持する保守派の世論。国際法専門家がこぞって「国際法違反」と認定する米国とイスラエルの先制攻撃で、最高指導者は暗殺され、3000人以上が犠牲になり、その多くが民間人という状況への国民の怒りがある。
イランの権力中枢は、米国との交渉でホルムズ海峡の「管理」で地歩を得て、一方で国民の怒りを制御しなければならない。故ハメネイ師の葬儀に大群衆が集って反米スローガンを叫んだことについて、日本のメディアはイランの「体制誇示」と書いたが、対米交渉の合意に不満や怒りを募らせる保守派大衆の「ガス抜き」という要素もあるだろう。
ガザではガザの民衆の怒りを理解せず、レバノンではレバノン民衆の怒りを理解せず、イランではイラン国民の怒りを理解しないまま、ハマス、ヒズボラ、革命防衛隊を「強硬派」としていて、状況が見えるだろうか。
■米国のイラン攻撃の総括(4)イランで「強硬派と現実派の対立」は本当か――交渉団と権力中枢の関係は(川上泰徳)
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