マイルス、コルトレーン、モンク
ジョン・コルトレーンはマイルスの『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』をレコーディングした後、一度クインテットを離れます。この頃のコルトレーンは自分をまだまだ未熟だと感じており、リーダーの指示に沿って演奏するのが当たり前だと考えていたようです。一方でマイルスは自由な演奏を求めていましたが、それがコルトレーンにはうまく伝わらなかった。マイルスはいつも無口で音楽について話すこともなく、どうしたら良いのかがわからなかったと、コルトレーンは当時のことを語っています。
1957年クインテットを離れたコルトレーンは、セロニアス・モンクのバンドに誘われ、アルバムに参加、ジャズクラブ「ファイブ・スポット」でのライブで共演します。モンクは日々コルトレーンに音楽理論や奏法を教え、彼はそれをライブで実践していく。モンクは度々ライブ中にピアノを離れ、ステージで踊ったり、酒を飲んだりしていたそう。その間コルトレーンは自由に即興演奏が出来る。モンクの振る舞いは奇妙に映るかもしれませんが、コルトレーンに独創的な演奏を身に着けさせる教育の意味もあったんでしょうね。ライブは連日大盛況、期間はどんどん延長され6か月もの長期間に渡りました。モンクとの活動によっていわば開眼した彼は、自身のリーダー・アルバム『ブルー・トレーン』『ソウルトレーン』をリリースし大ヒット、人気を博すようになります。
このファイブ・スポットでのライブをマイルスは何度か見に行っており、その成長ぶりを見守っていたようです。そして1957年12月に再びマイルスはコルトレーンにクインテットに戻ってくるように連絡します。
トレーンに電話して、戻ってほしいと伝えた。奴は一言「OK」と答えた。この時オレは、本当にものすごい何かが起こると確信した。そしてそれは本当に起こったんだ。完璧なまでにな。
アルバム『マイルストーンズ』では、セロニアス・モンクの「ストレイト・ノー・チャイサー」を演奏しています。マイルスとモンク、二人の師の薫陶を受けたコルトレーンのソロを聴いてください。
♫ Straight No Chaser(アルバム『Milestones』収録)
参考文献:「マイルス・デイヴィス自伝」マイルス・デイヴィス/クインシー・トゥループ著 中山康樹 訳 (株)シンコーミュージック・エンタテイメント刊
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