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元警察官として言う。 組織にいた頃、一番怖かったのは、上司でも、理不尽でもない。 慣れてしまう、自分だった。 20年いた。 最初の数年は「おかしい」と思ってた。 3年で「こんなもんか」になった。 10年で、何も感じなくなった。 惰性ってのは、静かに人を殺す。 痛みがないからだ。 気づいたら、自分で選んだものが、一つもなかった。 何時に起きるかも、誰に頭を下げるかも、全部、組織が決めてた。 それを「安定」と呼ぶよう、仕込まれてた。 一番ゾッとしたのはな。 このまま60、70まで行ったら、「俺は一度も生きてなかった」と気づく日が来る、と分かったことだ。 その後悔だけは、絶対にごめんだった。 だから、動いた。 お前は、まだ間に合うか?
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元警察官として言う。 110番してはいけない通報がある。 知らないと、損をするのはお前だ。 鍵が開かない。 鍵屋だ。110番じゃない。 道に動物の死骸がある 自治体だ。役所に電話してくれ。 隣の家がうるさい。 まず管理会社か、自治体の相談窓口だ。 笑い話に聞こえるか? 笑えないんだよ。 なぜか。教える。 110番には、絶対の優先順位がある。 緊急の通報が入れば、警官はそこへ飛ぶ。 組織の方針だ。逆らえない。 で、何が起きるか。 昔、夜道で男に尾けられた、と怯えて相談に来た女性がいた。 震えてた。家の周りを見回る、と約束した。 それは、本物の警察案件だ。 だが、その夜に「鍵が開かない」の110番が入った。 俺は、そっちに飛ばされた。 彼女の家は、回れなかった。 一度じゃない。それが続いた。 そして、ある日、気づいた。俺は、彼女の家を忘れてた。 見捨てる気なんか、なかった。 怯えた顔も覚えてた。 なのに、くだらない通報に毎日振り回されて、記憶から、こぼれ落ちてた。 今でも、思い出すと、腹の底が冷える。 いいか。ここからが本題。 緊急の顔をした、緊急じゃないもの。 それが、本当に大事なものを、後ろへ押しやる。 これ、110番だけの話か? お前の会社を思い浮かべろ。上司の思いつき。急に降ってくる「今すぐ」。誰も読まない資料。 それに追われてる間に、お前が前から「これは大事だ」と思ってた仕事は、二番手、三番手に回されてないか。 そして、いつか、忘れてないか。 何が大事だったかすら。 お前のせいじゃない。 そういう設計なんだ。緊急なものが優先される。 当たり前の顔をして。 だが、一個だけ聞かせてくれ。 お前が今、後回しにしてる「本当に大事なこと」は、何だ?
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編集長コラム・伴侶が封じた詩 私が知る祖父は、穏やかでお茶目な人だった。 絵を描くこと、山を歩くことが好き。横浜の祖父母の家に遊びに行くと、大学生の私に「ほら、これ素敵だろ」と、山で拾ってきた石ころをくれた。太極拳の道場では、師匠の指導を無視。独自の舞を繰り出して楽しむ。そんな人だ。 祖父が亡くなった後、祖母から昔語りを聞くようになった。そこには、私の知らない祖父がいた。 祖母は祖父よりも20歳近く年下。満鉄の理事をしていた父、後にイエール大学で博士号を取る兄ら「エリートの家族」で育ったが、20歳そこそこで祖父と出会う。祖母いわく「脱線した」。祖父には、戦前に別れた妻との間にもうけた息子がいて、祖母の親は「苦労する」と反対した。 それでも、「好きになっちゃったんだから仕方がない」。祖母は家を出て、結婚を強行した。 祖母にとって、驚きの連続だった。 同居する祖父の妹が、進駐軍の将校たちを相手に横浜でクラブを営み、家計を支えていた。その妹は、戦時中は上海でクラブのママをしながら、日本軍のスパイとして情報を集めていた。祖母には「お客の米軍の将校に、私がスパイだったことがバレたら大変だから、ヒヤヒヤする」と言った。 大体、祖父が戦前に何をやっていたかがよく分からない。どうやら思想を取り締まる「特高警察」に目をつけられていたらしい。祖父の叔母が、横浜の港から恋人とソ連に亡命した際、祖父が連絡役を務めたことがきっかけだった。 逮捕、勾留された経験もあり、その時のことを祖父は短歌にしている。 あやまちしとは思はねど鉄窓のある室に入れられればかなし 負けるかと歯噛みしあれど鉄の扉に鍵かける音が身に沁みにけり 吾が智慧に思ひあまりて堪えるなしつめたき壁に指触れてみる 指触ればしみじみ寒し留置場の壁隣りの室におんなの声する 吾がためにひとりの母は髪切りて二月の夜半をお百度踏み給ふ 天地のめぐみをうけしうしし世にここだ鉄窓を仰ぎつなくも 耐えてきし男の涙こらへられず母にだきつきて声をあげて泣く ▽「総てが自分の滅びる姿を賭けている」 戦後も祖父は、権力に対する反抗心を持ち続け、出版の仕事を手掛けていた。作家相手に「信念を曲げてまでカネになる作品を書いて恥ずかしくないのか」とけんかばかり。「信念を曲げるくらいなら飢え死にした方がましだ」とまで言った。 だが祖母は構わなかった。むしろ、そういうところに惚れていた。自分が洋裁の仕事で家計を支えるから、嫌な思いをしてまで働かなくてもいいと伝えた。実際、祖母が一家の食い扶持を稼ぎ続けた。私が「おじいちゃんは恵まれ過ぎだな」と羨ましがると、祖母は「金銭的な支えがあるより、心の支えがあった方がいい」と言っていた。 ただ祖母は、共に人生を歩むのに当たり、一つだけ条件を出した。 それは、詩を書くのはやめるということだった。 祖父は詩作をライフワークとしており、戦後も自分が編集・発行人となって『第一書』という詩集を、詩人仲間と共に出版していた。1951年の『第一書』では、「火花の匂い」という詩を発表している。 無慈悲な倦怠と悔恨家たちのために 腐った階段を降りる救世者 酔いどれた最高の地図の前で 人間の乾いた心は火のように息苦しく 白鳥の背に乗った明徹な像は ふたたびこの湖上には還らない 貧しい者は貧しさのまま 傷は傷のまま 権力は王座に眠ったまま 白い紙の鏡はうつろな眼の中で 力学の陰惨な壁に汚される 痛ましい渇望と拙棄と灰の底で 冷酷な火薬に嘯き ああ 総てが自分の滅びる姿を賭けている 祖母は祖父の詩に「気が滅入る」と感じた。自分と暮らすならば、詩を書くのだけはやめてほしいと願った。 伴侶からの願いを受け入れ、祖父は詩作を封じた。 ▽「お前との暮らしがあるだけだ」 1枚の写真がある。祖父母が羽田空港で写した写真だ。戦後しばらくは同居していた祖父の妹は、クラブに来ていた進駐軍の米国人と結婚して渡米。祖父母の家に遊びに来ていた妹が、米国へ戻る際に羽田空港まで見送った。その際に撮影した祖父母のツーショットだ。写真には祖父の言葉が添えられている。 「愛という言葉は知らない。お前との暮らしがあるだけだ」 祖父が亡くなった直後には、祖母の元に手紙が届いた。祖母は「お化けかと思った」とおどけていたが、ふたりが筑波万博へ出かけた際、10年後に届く手紙として祖父が祖母あてに投函したものだった。手紙は「僕はもうこの世にいないだろう。淋しくないかい」で始まり、「僕は君と一緒になれて本当に幸せだった。ありがとう」と感謝の言葉が綴られていた。 詩作を封じ、愛する人との暮らしを第一に人生を送る。覚悟ある祖父の決断であり、それを最後まで貫いたのは立派だと思う。 しかし同時に、「今の時代を祖父があの世から見たらどう感じるだろう」と思う。政治権力は好き勝手に振る舞い、弱い立場の人が苦しんでいる。戦争の足音が近づいている。権力に抗する表現活動をやめたことを、祖父は後悔していないだろうか。 1949年1月に発行された『第一書』の編集後記で、祖父はこう綴っている。 「前途には希望的な何ものをも見いだし得ないが、この絶望は、人類そのものへの絶望ではない。人為的なからくりに対する憤怒であり、闘魂である。広島、長崎のむごさは、人間に共通する原罪であり、悲哀である。反省である」 「僕らは個の平和を求め得られないことを知っている。僕らの可能は、全人類への信頼と愛情である。戦争がどこで起ころうがそれは僕らを放ってはおかないであろう」 祖母は生前、私に「おじいちゃんに似ている」と言っていた。 だが私は、ペンを手放さない。書き続ける。
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イランと米国間で停戦かと思われたが、イスラエルのレバノン攻撃は続き、イランは対抗してホルムズ海峡封鎖を示唆。するとトランプは「封鎖したらお前らの国はなくなる」と脅迫し、イラン代表団は退席し停戦は遠のいた。この人物を「世界に繁栄と平和をもたらすのはドナルドだけ」と評したのは誰だ?
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人間関係は、白黒ハッキリしたものよりも「あの人は好かないけど言ってることは正しい」とか「この主張だけは肯定できる」「信頼できるけどこの一点は許せない」みたいな割り切れなさが大多数を占めている。なのに、その複雑さを捨て去って、敵か・味方かみたいな単純な関係で人と人を捉えるなら、それは社会を分断する方向に働くだろう。合意も何も、生まれようがない。👉 たとえば『なめらかな社会とその敵』では、「公敵なき社会」が構想される。なめらかな社会とは、敵か味方か、善か悪か、お前はどちら側かみたいな二項対立をなるべく減らし、複雑な現実を複雑なまま、関係性のなだらかな連続性をもきちんと含み込んで捉えていこうとする側面を持つ社会のことだ。 その実現のために、同書ではシュミットの「友−敵論」が批判的に検討される。もちろん、著者の精密な手さばきをもってしても敵/味方の観念を完全に排除することはできない。 ただ、敵か味方かみたいな関係のありようは、それこそ相互の関係値や環境、時と場合によって変化し得るし、敵というラベルを貼るにしても「それがどの程度なのか」「敵と見なす度合いや範囲、種別はどうか」といった視点を導入することによって、敵化することの暴力性が幾分か変わってくる。白か・黒か的な発想の暴力性が、それによって緩和される可能性もある。そしてこれは、「みんなでぶっ潰しても構わない敵=公敵」をなるべく生まない、公敵を必要悪にしない知恵としても重要である。 そういった見立てが民主主義的な社会を構想するのに大切だ。 こういう発想、もっと広まってほしい。
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#AdoANN# 人生でこんな経験が待っているとは想像もつきませんでした。老け声陰キャ喋りヤロウにラジオのレギュラーを持たせていただけて、、本当にありがとうございました。果たしてちゃんと面白かったのでしょうか。本音をこぼすと、正直喋りの自信がつくにはまだまだ程遠いです。やってみて改めてラジオのプロの皆様の凄さを実感しました。(薄い言葉ですみません。) それから、このラジオを通して自分の好きなボカロJ-POP諸々を流すことができて快感(?)でした。トークに合わせて選曲するのも楽しかったです。流させていただいた全ての楽曲はプレイリストにまとめてまた共有させていただきますので、是非お聴きください。 リスナーの皆様、お前たちとか言ってすみませんでした。たくさん蹴散らし合いましたね。距離の縮め方をなんか変な方向に捻じ曲げてしまった気もしますが、これからもAdoのコンテンツは続いていきますのでよろしくお願いします。 出演してくださったゲストの皆さま、ニッポン放送のスタッフの皆さま、リスナーの皆様、1年間聴いていただき、本当にありがとうございました。しばらくは少しだけ空虚な夜が続いてしまいそうです。本当に楽しかったです。でも歌は聴いてください。パッタイ!
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元警察官として言う。 「守るものがあると、人は動けなくなる」。 独身の人間が、よく言う。 「ソロなら、命だけ担保にどこまでも行ける」と。 かっこいい。 だが、それは身軽なだけ。 俺には、養うべき子供がいる。 逃げ場のない金もある。 簡単には、動けない。 で、思うんだ。 失うものがない奴が飛ぶのは、勇気じゃない。 ただ、軽いだけだ。 本当に重いのは、抱えたまま、それでも前を見ることだ。 いいか。守るものがあるなら、今すぐ飛ばなくていい。 だが、檻があると気づいて、鍵だけは握っておけ。 出るのは、お前の準備ができた時でいい。
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