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(FTプレゼント記事):スコット・ベッセントによる円買い介入は、米国の「通貨アクティビズム」の新時代を告げる Scott Bessent’s yen intervention signals new era of US ‘currency activism’ 「スコット・ベッセントによる円買い介入は、米国の「通貨アクティビズム」の新時代を告げる 日本円を支える試みは、米国が自国の利益に反する市場取引を阻止する意思を示した」 ロンドン:イアン・スミス 東京:デービッド・ケオハン ニューヨーク:ケイト・デュギッド ワシントン:クレア・ジョーンズ 記事全体のポイント この記事でFTが最も強調している論点は、単に「円買い介入が行われた」という事実ではありません。記事全体を通して提示されているのは、米国の通貨政策そのものが変質しつつあるという見方。 そのポイントを整理すると、次の五点になる。 ベッセント財務長官は従来の財務長官とは異なり、ヘッジファンド出身のトレーダーとして為替市場へ積極的に介入する発想を持っている。 米国は「自由市場に任せる」のではなく、自国の国益を守るためには為替市場にも積極介入する姿勢へ転換しつつある。 今回の最大の目的は円そのものではなく、日本による米国債売却を防ぎ、米国長期金利の上昇を抑えることだった可能性が高い。 介入そのものは根本解決ではなく、「日銀が政策対応を行うまでの時間稼ぎ」にすぎないという見方が専門家の間では支配的である。 それでも市場心理には大きな影響を与え、「ベッセントが再び介入するかもしれない」という新たなリスク認識を市場参加者に植え付けた点に、今回の介入の最大の意味がある。 FTはこの変化を、見出しにもある "a new era of US currency activism(米国による通貨アクティビズムの新時代)" という言葉で総括している。これは、従来の「市場重視・強いドル政策」を掲げてきた米国から、国益を優先して為替市場へ積極的に介入する米国への転換を象徴する表現として用いられている。 (以下 記事本文) ワシントンと東京が、およそ30年ぶりとなる協調介入によって日本円を押し上げた際、その米国側を指揮した人物は、大規模な為替取引を手掛けてきたことで知られる人物だった。 今回の金曜日の介入を主導したのはスコット・ベッセント財務長官である。彼はかつてトレーダーとして活動し、1992年には英ポンドへの空売り、2013年には円への投機で名を上げた。いずれもジョージ・ソロスの投資会社で働いていた時代の実績である。 ドナルド・トランプ政権の財務長官となって以降、ベッセントは金融市場に対して従来よりも積極的に介入する姿勢を強めている。 今回、米国が他国通貨を支えるために歴史的な介入を行ったことは、市場関係者を驚かせた。その理由の一つは、円安が協調介入を必要とするような混乱的な急落ではなく、比較的緩やかに進行していたからである。 さらに市場を驚かせたのは、介入にドルではなくユーロを売却して円を購入するという方法が採られたことであった。 この取引は、昨年アルゼンチン・ペソ支援に乗り出した後、ベッセント率いる財務省が外国為替市場への関与をさらに深める意思を示したものと受け止められている。 ある米国の大手機関投資家はこう語る。 「これはソフトパワーのためでもなければ、世界全体の公益のためでもない。では、米国はいったい何をしようとしているのか。」 ベッセントの異例の行動の背景には、日本銀行の政策金利が現在1%にとどまり、インフレ圧力に十分対応できるほど速いペースで引き上げられていないとの投資家の懸念が高まっていたことがある。 世界の主要国では金利が日本よりはるかに高いため、この状況が今後も円安圧力となり続ける可能性がある。 ベッセント財務長官自身も介入を隠そうとはしなかった。金曜日の閣議では、カメラマンが彼の手書きメモを撮影しており、そこには 「日本円(JPY)を50億〜100億ドル購入」 と書かれていた。 今回の日米協調介入によって、円相場は今月初めの1ドル=164円近辺(1986年以来の円安水準)から158円前後まで急反発した。ただし、多くのトレーダーやアナリストは、この反発は短期間で終わる可能性があると警告している。 ピーターソン国際経済研究所所長で日本経済の専門家アダム・ポーゼンは皮肉を込めてこう述べた。 「1992年にイングランド銀行を打ち負かしたソロスやスタンレー・ドラッケンミラーのもとで働いていた人物が、為替介入だけで通貨を長期的に守れるかのように振る舞っているというのは、本当に驚くべき皮肉だ。」 投資家たちは、今回のワシントンの介入が主要通貨市場に新たな不確実性を持ち込み、各国政府がより積極的に市場へ関与する新しい時代の幕開けとなったと受け止めている。今回の措置は、米国が自国の利益に反する取引をためらわず阻止する意思を示したものだからである。 INGのグローバル市場責任者クリス・ターナーは次のように述べる。 「米財務省の登場は、市場に『新しい保安官がやって来た』ことを意味する。円売りを仕掛ける投機筋に対して警告を発したのである。」 そして彼は、今回の出来事は 「為替市場への積極介入(FX activism)の時代への回帰」 を意味すると評した。 米財務省はコメントを控えた。 なぜ日米は介入したのか 両国には、それぞれ介入する十分な理由があった。 日本政府は、円安に加えて日本国債(JGB)が大きく売られ、市場の動きが行き過ぎたものになりつつあることを懸念していた。 一方、米国側では、日本が円を支えるために米国債を売却すれば、米国債市場への売り圧力がさらに強まる兆候が現れていた。 トランプ大統領は「米国は常に日本の味方である」と述べたが、市場関係者の多くは、真の狙いは、日本が保有する米国債を売却することを思いとどまらせることにあったと見ている。 日本は外国政府の中で最大の米国債保有国だからである。 さらに米政府高官は以前から、ドル高がアメリカの輸出企業に悪影響を及ぼしていることも問題視していた。 オールスプリング・グローバル・インベストメンツのマルチアセット・ポートフォリオマネージャー、ルシャブ・アミンはこう説明する。 「政権はドル安を望んでいる。そして、各国の投資家が自国通貨を守るために米国債を大量に売却する事態も避けたいのである。」 彼によれば、ドルに対して他通貨を売ろうとする投資家は、「ベッセント買い(Bessent bid)」を警戒するようになっているという。つまり、「必要ならベッセント財務長官が市場に介入してくるかもしれない」という警戒感が市場に生まれたのである。 「強いドル政策」との矛盾 もっとも、ベッセント自身はこれまで一貫して 「米国は強いドル政策を支持する」 と発言してきた。これは長年にわたる米国政府の公式方針を踏襲したものである。 一方、日本政府は月曜日、FRB(米連邦準備制度)のレポ・ファシリティを利用する計画を明らかにした。 アナリストによれば、この制度を使えば、日本は米国債を売却することなくドル資金を借り入れることが可能になる。 これまで各国中央銀行は、自国通貨を支える際に米国債を売却することが多かった。しかし米国政府は、長期金利が2007年以来の高水準となっている現在、自国債への需要が減少する兆候に極めて神経質になっている。 実際、イラン戦争の開始時には、外国中央銀行はFRBに預けていた米国債保有額を2012年以来最低の水準まで減らしていた。 さらに別の懸念も存在する。 もし日本国債の売りが続いて利回りが一段と上昇すれば、日本国内の投資家も米国債を売却し、日本へ資金を戻す動きが強まる可能性があるのである。 ウェリントン・マネジメントのブリジ・クーラナは、ベッセントの考え方を次のように説明している。 「ベッセントは、米国債利回りが高いのは、日本国債利回りが高いからだと考えている。だから円を支えれば、日本の金利が低下し、その結果として米国債利回りも低下するという発想なのだ。」 RBCブルーベイ・アセット・マネジメントの債券部門最高投資責任者マーク・ダウディングは、円安について次のように述べている。 「円安は日本国債市場の安定を損ない、世界の長期金利を押し上げる要因となりかねない。米国はそのことに非常に敏感になっている。」 「利益を得る」という発想も 今回の介入には、米国が利益を得る可能性もあった。 トランプ大統領自身が記者団に対し、「financial benefit(経済的利益)」も今回の動機の一つであると述べている。 ハーバード大学教授で元IMFチーフエコノミストのケネス・ロゴフは次のように評価した。 「非常に巧妙だった。アルゼンチン支援でベッセントが行った救済策を思い起こさせる。あれは大成功だった。」 しかし同時に、ロゴフは限界も強調する。 「米財務省が莫大な円を長期間保有する覚悟――それは極めて急進的な政策転換になるが――を持たない限り、今回の介入は日本銀行に少し時間を与えるための応急処置(bandage)にすぎない。」 円安の根本原因は解決していない アナリストたちは、今回の介入だけでは円安を生み出している構造的な要因は解決できないと指摘している。 その要因とは、 原油価格の上昇 大規模な政府支出計画をめぐる不透明感 日本銀行の利上げペースが依然として遅いこと などである。 東京のステート・ストリート銀行シニア債券ストラテジスト、マサヒコ・ルー氏はこう述べる。 「介入は時間を買っているだけだということは、誰もが分かっている。本当に重い仕事(the real heavy lifting)は、日本銀行と日本の財政政策が担わなければならない。」 ここでいう heavy lifting は、「最も困難で本質的な仕事」「根本問題を解決する役割」という意味で使われている。 米国にとってのリスク もちろん米国側にもリスクがある。 もし今回の協調介入が失敗すれば、投機筋は再び円を標的にするだけでなく、米国債市場そのものも攻撃対象にする可能性がある。 資産運用会社PGIMのチーフ・グローバル・エコノミスト、ダリープ・シン氏は次のように警告する。 「もし介入が機能しなければ、(米国長期国債市場への)波及効果は極めて大きなものになるだろう。覚悟しておくべきだ(So strap in.)。」
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トランプ氏 ワールドカップは、見事な大成功を収めました!関係者の皆様すべてに感謝申し上げますが、とりわけ、私たちの素晴らしい法執行機関の皆様に感謝いたします。 皆様が彼らに抱く敬意と、祖国への愛が相まって、この偉大な大会は、断トツで史上最も安全かつ最も壮観なワールドカップとなりました!その他、関わってくださったすべての方々にも感謝申し上げます。特に、アメリカ合衆国政府で働く若く活力あふれるアンドルー・ジュリアーニ氏、そして素晴らしい仕事をしてくださったFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長に、心からの感謝を捧げます!ワールドカップを、誰も不可能だと思っていたレベルにまで引き上げた彼の功績を成し遂げられる人は、そう多くはないでしょう。皆さん、おめでとうございます! ドナルド・J・トランプ大統領
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出版大手KADOKAWA元会長の角川歴彦氏が6月16日、同社の夏野剛社長と、社内のガバナンス検証委員会の委員をつとめた國廣正弁護士を相手取り、名誉毀損や防御権侵害を理由に計2億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしました。私は、この事件について、原告である角川さんの代理人を務めています。弁護士ドットコムニュースが、この事件について、詳報しましたので紹介します。 @bengo4topics この提訴に対して、KADOKAWA夏野社長は、「企業価値と株主共同の利益を守るため必要だった」角川元会長の提訴にコメントしました。 2026年06月16日 19時21分#角川歴彦# #KADOKAWA# #夏野剛#  出版大手KADOKAWA元会長の角川歴彦氏が6月16日、同社の夏野剛社長と、社内のガバナンス検証委員会の委員をつとめた國廣正弁護士を相手取り、名誉毀損や防御権侵害を理由に計2億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。 東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で有罪判決を受けて、現在も控訴審を争う角川氏。226日に及んだ勾留を「人質司法」だと批判して、国を訴えているが、今度は古巣の現経営陣にも矛先を向けた。同日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見し、「私への仕打ちをただしたい」と提訴の理由を説明した。KADOKAWAは取材に「当社および関係者のこれまでの対応は、当社の企業価値および株主共同の利益を守るために必要なものであったと考えており、今後、正式な手続を確認したうえで、司法手続において適切に対応してまいります」と回答している。 ●弁解の機会がないまま報告書が公表されたと主張  角川氏は東京五輪・パラリンピックのスポンサー選定に絡む贈賄罪に問われ、2026年1月、東京地裁で懲役2年6カ月、執行猶予4年の有罪判決を受けた。現在は東京高裁に控訴している。また、2022年9月の逮捕後、容疑を一貫して否認したにもかかわらず、勾留が226日に及んだことから、いわゆる「人質司法」によって苦痛を受けたとして国に損害賠償を求める訴訟も起こしている。外国特派員協会での会見には、角川氏と代理人をつとめる郷原信郎弁護士が出席した。会見での説明によると、今回の提訴は、KADOKAWAが設置した危機管理委員会とガバナンス検証委員会が作成・公表した調査報告書をめぐるものだ。報告書では、角川氏らの行為が「贈賄に該当する可能性が高い」と指摘され、夏野社長が同席した記者会見でも「客観的証拠がある」と説明されたという。これに対して、角川氏側は、調査の過程で一切の弁解の機会を与えられないまま一方的に認定・公表されたことで、名誉を毀損されたうえ、刑事事件の被告人としての防御権を侵害されたと主張している。 ●角川氏「ただしたいのは私への仕打ち」  会見で角川氏は次のように述べた。「私がただしたいのは、KADOKAWAの夏野氏および國廣正弁護士がおこなってきたこと、そして私への仕打ちです」「この民事訴訟は、企業にとっての脅威でもある人質司法の問題について、経営者としての姿勢を問うものです」さらに、こう強調した。「私はKADOKAWAの経営に復帰することなど、まったく考えておりません。83歳を迎えようとしている今、そんな野心はありません。今回の行動とKADOKAWAの今後はまったく関係ありません」原告代理人で、控訴審弁護人もつとめる郷原信郎弁護士は、ガバナンス検証委員会について次のように批判した。「一見すると、第三者委員会じゃないかと思えるような立て付けとか、対外的な説明がおこなわれていながら、実はその内実は、夏野社長が一方的に選任した危機管理委員会の弁護士が調査をおこなって、それをそのまま引き継いで、調査をするのであったということで、非常に大きな問題がある調査だったと思っています」 ●訴えられたKADOKAWA夏野氏の反応は  今回の提訴について、弁護士ドットコムニュースは、夏野氏の見解を求め、KADOKAWAを通じて問い合わせた。KADOKAWAは取材に、「本日、当社元役員による訴訟提起に関する一部報道および記者会見が行われたことを確認しております。現時点において、当社として訴状を確認しておらず、係争に関する個別の内容についてのコメントは差し控えます」とした。  KADOKAWAはさらに、次のようにコメントする。「当社は、本事案を受けて、外部の弁護士等による調査を実施するとともに、その結果を踏まえた再発防止策およびコンプライアンス・ガバナンス体制の強化に取り組んでまいりました。当社および関係者のこれまでの対応は、当社の企業価値および株主共同の利益を守るために必要なものであったと考えており、今後、正式な手続を確認したうえで、司法手続において適切に対応してまいります。当社は引き続き、コンプライアンスの徹底およびガバナンスのさらなる強化に努めるとともに、中長期的な企業価値向上に向けた経営改革および新中期経営計画の実行に注力してまいります」  また、國廣弁護士の法律事務所は「本件については取材にお答えできません」と回答した。 #角川歴彦# #KADOKAWA# #夏野剛# ********************** ・以下は、私のコメントです。  角川歴彦さんの人質司法違憲訴訟に引き続いて、ガバナンス検証委員会をめぐり、角川さんが前社長と検証委員会の調査担当弁護士に対して提起した民事訴訟の弁護も担当することになりました。  私は、当日別に開いた司法記者クラブでの会見で、次のような意見を述べさせていただきました。  この訴訟は冤罪で奪われた角川さんの人権、人間としての尊厳、名誉権、刑事被告人としての防御権を回復するための闘いの一環です。どうか、ご支援をお願いします。 ・日弁連第三者委員会ガイドラインの本質は経営からの独立  日弁連第三者委員会ガイドラインの本質は「経営からの独立性」にある。この第三者委員会は、会社から費用の支払いを受けていても、全ステークホルダーのために仕事をするところに特色がある。  弁護士は依頼者のために働くという原則の大きな例外を認めた画期的な制度である。  私はこのガイドラインを定めたときに、日弁連の事務総長を務めていた。  日弁連ガイドラインに準拠した第三者委員会のレポートに対する社会の信用の根源は、企業経営から制度的に独立しているところにある。  第三者委員会は、依頼企業・その経営者の利益擁護ではなく、事実解明・原因分析・再発防止を通じて、社会や株主などを含むすべてのステークホルダーへの説明責任を果たすことを目的としている。 ・企業からの独立性確保のためには、委員から利害関係者を排除することが必要である  顧問弁護士など企業と密接な関係を持つ者は委員就任ができないことはガイドラインに明記されている。  刑事事件の発生という緊急事態への対応のために社長の直属でつくられた危機管理委員会に関与した弁護士は、顧問弁護士でなくとも、その委員会の活動の経緯の中で、深い利害関係を持つようになったものと評価できる。  さらに、経営陣に批判的な社外取締役を外し、親和的な社外取締役を選んだ点においても、委員会の中立性・独立性が損なわれている。  委員会では角川さん本人と弁護人への事情聴取も行われておらず、公正な調査とはいえない。  そのような調査の結果、公表された報告書が原告の名誉と刑事裁判において公正な裁判を受けるための防御権を侵害したといえる。 (この写真で角川さんが手にしているのは、袴田秀子さんから贈られた袴田巌さんのハットです)
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今度しばらくモンゴルに行くので、いろいろ予習している。以下、本書の感想。👉「あなたモンゴルでも行く?」。この一言から、給食調理の仕事をしていた著者の人生は大きく変わった。在モンゴル日本国大使館の公邸料理人となった著者が草原の食と暮らしを体当たりで綴ったエッセイが本書である。ぼくはこの本をひとつの文明論として読んだ。食は、その土地の自然と歴史のすべてが凝縮する場所だからだ。その土地の文化も思想も、食に表れるのである。 モンゴルの食文化には明快な体系がある。肉を中心とする赤い食べ物「オラーン・イデー」と、乳製品を中心とする白い食べ物「ツァガーン・イデー」の二分法だ。遊牧民は羊、山羊、牛、馬、ラクダの五畜を飼い、乳の出る夏は搾乳して乳製品を作り貯え、家畜が肥える秋に屠って冬は肉で越す。北里大学の有原圭三さんは東北畜産学会報の解説で、「モンゴルでは古くから食生活の中心に乳と肉が据えられてきた」と述べ、この二分法が今日でもモンゴル人の食生活の中心にあると報告している。季節のサイクルがそのまま食の体系になっている。夏は白、冬は赤。食卓に一年の時間が刻まれているのだ。 本書が鮮やかなのは、著者がこの食文化の合理性を、現地の人々との交流のなかで体感的に解き明かしていくところである。著者の友人はこう問うたという。草を食べた家畜の肉を食べているのに、なんでわざわざ野菜を食べるのか、と。面白い見方である。乾燥と寒冷のモンゴル高原では、人間が直接食べられる植物はほとんど育たない。しかし、家畜は人間が消化できない草を、肉と乳に変換してくれる。つまり、遊牧とは「人間が直接利用できない草原の膨大な資源を、家畜という装置を通して食に変える精緻なエネルギー変換システム」なのだ。 他方で、なぜ豚や鶏を飼わないのか。彼らは長距離の移動についてこられず、草ではなく人間と競合する穀物を必要とするからだ。五畜の構成すら、環境から合理的に導かれている。ぼくらが栄養学の常識と信じている「野菜を食べなさい」は、農耕地帯というローカルな環境の産物にすぎないのかもしれない。 ちなみに── 「カルピス」の名称は、牛乳に含まれる成分「カルシウム」と、仏教の経典に登場するサンスクリット語の「サルピス(熟酥・じゅくそ)」を掛け合わせて名付けられた。仏教における牛乳の精製過程「五味(ごみ)」の教えが深く関わっていて、かつてぼくも仏教書で同様の内容を読んだ。 創業者の三島海雲は僧侶でもあり、内モンゴルで出会った酸乳の美味しさと健康効果をヒントに飲み物を開発した際、この「五味」の考え方をヒントに取り入れ、4番目の段階である「熟酥(サルピス / sarpis)」をベースにし、当時流行していた「カルシウム」と組み合わせて「カルピス」と命名したのである。 さて、本題に戻ろう。 ここで、二項対立をひとつ立ててみたい。 モンゴルの食は野蛮か、合理か。 羊を屠るとき、遊牧民は胸を小さく切開し、手を入れて大動脈を握りつぶす。血を一滴も大地にこぼさないためだ。血は腸詰めにし、臓物も骨も余さず使いきる。都市に暮らすぼくらの目には衝撃的な光景かもしれない。だが、視点を変えれば、これほど命を丁寧に頂ききる食文化があるだろうか、とも思う。食品を毎日大量に廃棄しながら、屠畜の現場だけを残酷と呼ぶぼくらの感性のほうが、よほどねじれている。文化人類学者の小長谷有紀さんが繰り返し論じてきたように、モンゴルの乳加工は、乳の性質を経験的に知り尽くした精緻な知の体系だ。ヨーグルト、チーズ、乳酒、乳茶。冷蔵庫のない草原で乳を保存するために発酵と乾燥のあらゆる技術が磨かれてきた。野蛮どころか、そこには何百年もの科学がある。 著者は公邸料理人として日本の食材が乏しい環境で和食を作る工夫を重ねながら、同時にモンゴルの食の懐へ深く入っていく。マイナス30度の冬。人も家畜も、支え合わなければ生きられない世界。その厳しさこそが食への敬意を育てたのだと、読みながら何度も思った。安定的な食の環境がなかなかないからこそ、食への感謝は尽きないのだ。 ご関心のある方は、ぜひ本書を直に読んでみてほしい。 『まんぷくモンゴル!公邸料理人、大草原で肉を食う』鈴木裕子(産業編集センター)
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街角トークin阿佐ヶ谷MoguMogu 6/20対話フェスの時、一人一人のスピーカーを助けてくれたキムヨンジュTRIOの深くて響く演奏。 MCで曲の由来とか意味を聞くとさらに音楽が良い! 清水宏スタンダップコメディもやらせてもらいました。 そしてopening の街角トーク 「年をとると諦めることでやれることが増える。楽しい。」 →年取るのが楽しくなる。良いなあ。 PAの方にも聞く 「こんなに災害が立て続けにあると強く思う。自衛隊は戦争なんかより災害救助をやって欲しい。本気で応援する」 →それも国防ですよね。平和のために活動する我が国の自衛隊。。! 「バイオリンをやっているけどセレブな音楽じゃない。普通のお客さんを喜ばんでもらうのが演奏家の仕事。気軽に声かけて曲を聴いて欲しい」 バイオリンは難しい?と聞くと。。 「大丈夫!」と力強い答えの後 「上手くなるにはいろんな音楽を聴く、音楽だけじゃなくていろんな演劇や映画やダンスを見に出かけること。 もう音楽だけじゃない。みんながいろんなものを鑑賞しまくってみんなで豊かになろう!」 →おお!スバらカシイ!はい!!! 店長のmoguさん 「北京から来て言いたいのは 日本の人はいい人だ! そして音楽は素晴らしい!」 →イェーイ!芸術最高!世界交流最高! ライブハウスでの街角トークもいいね! ご来場ご登壇ありがとうございました! キムヨンジュTRIOさいこう! 明けて今夜8/28の19時は 広場での街角トーク! 阿佐ヶ谷駅南口噴水広場で! いろんなことをお聞きします! 小さなこと自分だけかもしれない思いも大歓迎! 私清水宏が聞き役を務めます! “あなたの声を聞かせてください”
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トランプ氏 バイデン政権下では、トランプ政権下よりもはるかに多くの人が新型コロナウイルスで亡くなりました。 「オペレーション・ワープ・スピード」は目覚ましい成功を収め、実際、多くの人が、これは歴代の米国大統領が行った取り組みの中で最も成功したもののひとつだと言っています。 この件に関しては、私はファウチを無視した。彼の考えは正気の沙汰ではなかった!また、私は当初から、このウイルスは中国の武漢研究所から流出したものだと主張していた。ファウチはこれに強く反対し、常に中国をかばおうとしていた。 1980年代から在籍していたファウチを引き継いだが、日が経つにつれて、彼への依存度はますます低くなっていった。マスク問題など、彼はあまりにも多くの誤った判断を下したからだ。 当初、彼はマスク反対派だったことを思い出してほしい。その後、彼はマスク推進派に転向した。いずれにせよ、彼が望んでいたにもかかわらず、私は彼に国を封鎖させることは許さなかった。 私は連邦主義の道を歩み、各州知事に判断を委ねた。 共和党の州知事たちは、民主党の州知事たちよりもはるかに優れた仕事をした。 ファウチはほぼ戦線から外されていたが、そこに「眠たげなジョー」バイデンが現れ、ファウチを「王」にしてしまったのだ! 私はバイデンに電話をかけ、ファウチは役立たずで、何も分かっていないか、あるいは不誠実な人物だと伝えた。その電話は好意的に受け止められたが、残念ながら、具体的な行動にはつながらなかった。 バイデンはその後、ファウチに甚大な破壊力を与えてしまった。その後の展開は周知の通りだ!DJT大統領
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(経済においても破壊的破壊を進めているということ、通貨と財政を見れば非伝統的手法にはとんでもないリスク) Business elites fume as Sanae Takaichi shuns Japan’s smoky back rooms ビジネスエリートたちが不満を募らせる――高市早苗、日本の「煙たい裏部屋」を遠ざける @financialtimesより 経済界の大物たちが不満を募らせる――高市早苗、日本の「煙たい裏部屋」を遠ざける 政府中枢への最高レベルのアクセスに慣れていた企業経営者たちを怒らせている 筆者: Leo Lewis、Harry Dempsey(東京発)/5時間前公開 主旨 日本の経済界トップは、高市早苗首相へのアクセスが著しく減っていると不満を漏らしている。歴代首相が当然のように企業エリートと結んでいた特権的な関係から、高市が距離を置き、伝統を破っているためである。 具体的な状況 高市は2月の解散総選挙で地滑り的勝利を収めた後、CEOとの一対一の会談をほとんど行わず、経団連など業界ロビー団体からの意見聴取も少ないまま政策を立案している。 投資推進・親ビジネス的な政策を掲げているにもかかわらず、6人以上の幹部がFTに対し、その指導スタイルへの不満を表明した。 キリン(飲料大手)の磯崎功典CEOは「従う必要はないにせよ、多様な意見に耳を傾けることは重要だ」と述べ、高市が経済界やメディアを軽視する姿勢を、トランプ米大統領の専門家・制度への侮蔑になぞらえた。「経団連とは対話が一切ない。夜の会合もしないし、昼食会もしない」(会社見解ではなく個人的見解として)。 歴代首相との対比 歴代首相は、大企業の代表者との会合・昼食・夕食・深夜の酒席で日程を埋め、意見を求め、政策への合意形成を図ってきた。高市の手法はこれと際立って対照的で、関係者によれば、彼女は一人で食事をとることを好み、前任者が流し読みしていた説明資料を丹念に読み込み、日本の財界が歴史的に影響力を行使してきた裏部屋的な会合を避けているという。 不満が高まる背景 円安、高水準の財政支出計画、そして批判者が「トランプへのおもねり」とみなす姿勢といった問題を国が抱えるなかで、不満が広がっている。 経団連の反論 経団連は、高市が意見を聞いていないという見方に同意しないとし、過去1年間の3回の公式会合、先月の会長との昼食、「投資主導型経済」というビジョンでの足並みの一致を挙げた。 世論と評価 高市の支持率は50%超を維持しているが、低下し始めている。 これを、政治と経済界トップの従来の馴れ合いからの「待望の決別」と評価する声もある。 政治アナリストのTobias Harris(Japan Foresight)は、高市が財界トップを意図的に避け、ベテラン官僚とも深く相談しないのは、エスタブリッシュメントの助言の価値を信用していないからだと指摘。「彼女の考えはこうだ――『あなた方がそんなに賢いなら、日本はこんな状況になっていないはずだ』」と、バブル崩壊後30年の経済停滞に言及しつつ語った。「『あなた方には多くの機会があったのに、国は依然として苦境にある』と言っているに等しい」。 文化の変化として ある大企業の上級幹部は、高市の手法は、情報共有や関係構築が夜の酒席を中心に行われてきた日本のビジネス文化全体の変化を反映していると述べた。「同じことが日本全体で起きているのだろう。日本の政界はその文化の最も古い例だが、彼女がそれを変えつつあるのかもしれない」。 高市と仕事をした元官僚は、首相が主流の国内メディアをますます避け、SNSのX上で直接国民と関わることを好んでいるとも指摘した。 研究者の見解 早稲田大学の政治学者・中林美恵子は、高市が経済界から距離を置くことは有権者へのアピールの重要な要素だと述べた。「日本人はエリートが好きではないし、旧来型の日本政治を行う指導者も好まない。高市は古いやり方とはまったく異なる」。「日本の国益という観点からは、経済界トップ全員と意思疎通しないことにはリスクがあるが、彼女の人気にとっては好都合だ」。 結び 別の上級幹部は、最終的に首相はその実績で判断されるべきだと述べた。「本当に重要なのは意思疎通の仕方ではない。結果を出さなければならない」。
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本日は、「第4回安倍晋三元総理の志を継承する集い」にお招きを賜り、挨拶をさせていただきました。 この「集い」を、毎年開催して下さっている、櫻井よしこ先生をはじめ、ご関係の皆様のご尽力に、心から敬意を表しますとともに、深く感謝を申し上げます。 第1回の「集い」で、私は、「安倍総理の代わりになる人なんていない」と申し上げました。 その思いは今も変わりません。 いや、自ら内閣総理大臣の重責を担うこととなった今、一層、その思いは増しています。 先週訪れたインドでは、モディ首相が、日米豪印の「クワッド」の枠組みを「安倍総理の遺産である」と、そして、安倍総理が成し遂げた数々の功績を「誇りに思う」とおっしゃっていました。 3月に訪れたワシントンD.C.では、トランプ大統領の執務室に安倍総理のお写真が置いてありました。 「シンゾー、シンゾー」。トランプ大統領は、いつも懐かしそうに語られます。 強固な日米同盟を、お亡くなりになってもなお、安倍総理が支えて下さっている。そう実感します。 この4年間で、世界は大きく変わりました。日本を取り巻く環境も一層厳しさを増しています。 しかし、フランスのマクロン大統領、ポーランドのトゥスク首相、ブータンのトブゲー首相。 安倍総理の友人たちが、今も安倍総理との深い友情をベースに、日本を大切に思って下さっています。 5月に訪日されたアルバニアのラマ首相は、安倍総理に直接お会いになったことはないと思いますが、安倍総理のイニシアティブが、「西バルカン地域」の平和と発展に貢献していると、心からの弔意と深い敬意を示して下さいました。 私は、まだ総理に就任して8ヶ月余りですが、言い尽くすことができないくらい、安倍総理が日本国と日本人のために残して下さったご功績の大きさを、実感しています。 朝、総理執務室に入ると、奥のソファーに安倍総理が座っておられるような、今も毎日、そのような気持ちになります。 大臣や政調会長の時代に、何度も執務室に通いましたが、安倍総理は、いつも決まって、奥のソファーに座っておられましたから。 そして、執務机のイスに座り、周囲を見渡すと、安倍総理は、この同じ風景を見ながら、毎日、どんな思いで国政に臨んでおられたのだろう。 ふと、そんなことを思うのです。 アベノミクスの「大胆な金融緩和」から始まって、「集団的自衛権の一部行使容認」、「戦後70年談話」、「ロシアとの平和条約交渉」など、安倍総理は、国論を二分するような課題に果敢に挑戦してこられました。 挑戦すれば、厳しい批判を伴います。 私も、総理大臣として、その重圧を、日々感じていす。 「五類型の撤廃」、「国家情報局の設置」、「対日外国投資委員会の創設」、「中東情勢対応」、「経済財政政策の大転換」。 批判のお声を受けながらも、歩みを進めてきました。 しかし、挑戦しない国に、未来はありません。 安倍総理の代わりは、私には到底務まりません。安倍総理と比較されては、ご批判ばかりをいただく日々。 性格も、能力も、仕事の進め方も、安倍総理と私では全く違います。 「I am who I am」「私は私」と開き直りながら、歯を食い縛って働いています。 それでもなお、安倍総理のように「闘う政治家」でありたい。 そう、あらねばならない、と自分に言い聞かせています。 安倍総理がお亡くなりになってから、7月を迎えると、心底、寂しい気持ちになります。 それは、梅雨時の灰色の空と無関係ではないかもしれません。 しかし、いつしか梅雨は明け、真夏へと移る。 7月は、そういう月でもあります。 真夏の快晴の空、見渡す限りの青空を見上げると、本当に「晴れ男」だった安倍総理のことを思い出します。 そうすると「顔を上げて、前を向いて、頑張れ」。 安倍総理の声が、空から聞こえてくるような気がします。 本日の「集い」には閉会まで参加したかったのですが、近日に『日本成長戦略』と『骨太方針』の閣議決定を控えており、公邸に戻ってから、与党審査による加筆修正部分について秘書官から説明を聞き、最終的な検討作業行う必要がありましたので、失礼を致しました。
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イスラエルの保守系YnetNewsの社説。で、どうすんの?社説の最後を読むと核兵器を使う気が満々だね イスラエルは存亡の危機へと追い込まれている 論説:イランは、イスラエルを軍事的に機能不全に陥らせる代わりに、外交的に機能不全に陥らせている。つまり、米国とイランの間で形成されつつある停戦枠組みを利用し、地域における脅威を維持しつつ、エルサレムの行動の余地を制限しているのだ 月曜日の朝、息子はテヘランからの脅威にもかかわらず、学校の遠足が予定通り行われると聞いて喜んでいた。前回の遠足が延期となり、それが「轟く獅子」作戦という電撃的な展開へと変わったという苦い失望を経験した後では、その気持ちも理解できた。息子の顔に浮かぶ喜びを見たとき、私は胸が締め付けられるような思いを抱かずにはいられなかった。私たちが今経験しているこの静けさは、おそらく将来、耳をつんざくような騒音へと変わるだろう。それが、10月7日から私たちが学んだ最も痛ましい教訓である。そして実際、イランと米国の間の停戦合意の詳細が明らかになるにつれ、米国の「戦争疲れ」の代償を払うのは私たちになるのではないかと感じずにはいられない。 この合意に対する批判が高まる中開かれた記者会見で、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は勝利の様相をこう描いた。「我々はイスラエル国周辺に広範な安全地帯を確立した」。しかし、CBSとのインタビューでは、彼は次のように認めた。「依然として、イランが支援する代理勢力が存在する。彼らが依然として生産を望んでいる弾道ミサイルもある。「現在、我々はそれらの多くを無力化している。しかし、それらは依然として存在しており、やるべきことは残っている」と。この軍事的成功の裏には、イランの戦略的成功が隠されている。 イラクとの長期にわたる戦争から得た痛ましい教訓として、テヘランは戦争を自国領土から遠ざけ、イスラエルの周囲に代理軍による包囲網を張り巡らせた。ハマス、イスラム・ジハード、ヒズボラは、我々に3つの戦線で同時に戦うことを強いた。奇跡的に、我々の軍事的立場は10月6日時点よりも改善しているが、テヘランのために命を落とした愚か者たちの後任として、新たな代理勢力が現れている。 かつてテロ組織がテヘランに資源を求めていたのに対し、今やワシントンは、たとえ意図的ではないにせよ、テヘランの利益に奉仕している。イランはイスラエルを軍事的に麻痺させる代わりに、外交的に麻痺させてしまった。ガザやレバノンにおける交戦規則は、暗黒の時代へとつながった日々を彷彿とさせる。我々の破壊を叫び、核爆弾を開発し、我々の周囲を窒息させるような包囲網を維持している敵を前にしての外交的孤立は、単なる戦術的な障害ではない。それは明らかな存亡の脅威である。 歴史的な不条理として、米国は事実上、イランの代理として行動している。それが戦争疲れによるものであれ、ホルムズ海峡の再開をめぐる冷徹な経済的計算によるものであれ、あるいはワールドカップ開催国が同時に地域戦争を繰り広げる余裕はないという認識によるものであれ。かつてイランがテロ組織を利用してイスラエルのテヘラン攻撃を阻止していたのに対し、今やイランは米国を利用しているのだ。イスラエルによるレバノンからの撤退要求や、合意の詳細をエルサレム側に提示することを拒否している事実は、両者の亀裂の深さを如実に物語っている。 トランプ氏は熱狂的なWWEファンだ。かつてエディ・ゲレロというレスラーがおり、そのモットーは「嘘をつき、ごまかし、盗む」だった。おそらく意図せずとも、それがトランプ氏のイランとの交渉を導くアプローチとなっている。すなわち、合意の詳細をエルサレムから隠し、レバノンに関して矛盾したシグナルを送り、何も署名される前に勝利を宣言することだ。イランは傍観し、ワシントンのエディ・ゲレロに仕事を任せておけばよいのだ。 我々は、米国に見捨てられるという経験を一度や二度ではない。バイデンが武器の供給停止をほのめかした際、ネタニヤフは「必要とあれば、爪先ででも戦う」と宣言した。しかし、それでも米国は必要な武器の大部分を供給し続けた。今回、状況は根本的に異なる。ハマスはイスラエルの国家存続を脅かしていなかった。イランは脅かしているのだ。そして皮肉なことに、トランプがイランの核戦争への突き進みを阻止しようとしたまさにその試みが、イスラエルを核戦争へと追い込む結果になりかねないのだ。 イスラエルは、自国を破壊すると脅かす勢力に対して、入手可能な範囲で非通常兵器を含め、手持ちのあらゆる手段に頼らざるを得なくなるかもしれない。それは単に、今回、米国の国益とイスラエルの国益がもはや一致しなくなったからに他ならない。
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