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答えは現場にある コミュニティ
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事故の翌朝、施設の前に三種類の人間が集まった。最初の種類は、白衣の研究者だった。胸の名札は「地熱保全・観測班」。先頭の女は三十代で、名は箕輪といった。箕輪は柵の外の地面にしゃがみ、白い粉を容器に入れて、入れながら舌の裏を押さえた。押さえたことに、本人はまだ気づいていない。「配管の腐食ではない」と箕輪は同僚に言った。「金属が溶けた痕跡と、生物膜の痕跡が同じ継ぎ目にある。膜は熱で死なない。死なないものを、うちの予算項目は持っていない」 二番目の種類は、碑の文を一つで読みたがる集団だった。 現代の衣で、現代の言葉を使う。 使う言葉の底に、古い役職が残っている。彼らは自分たちを「還熱会」と呼んだ。 会の読み手は、夜にクレアの店へ来た客本人だった。客の名は瀬戸。瀬戸は施設の正門でビラを配りながら、配る手を一度止めた。止めた理由は、ビラの文言が頭の中で二つに割れたからだ。  一つは「底は一つ」。 一つは、夢で聞いた再会の手順。 三番目は、名を出さない集団だった。 黒い作業着、施設の許可証、許可証の番号だけが市の台帳にない。彼らは粉を踏まず、モニターの残骸を写真に撮り、撮ったあとに高校生のほうを見た。見た時間は短い。短いあいだに、高校生の舌の裏の重さを数えていた。 クレアは店の窓から、その三つを見ていた。 見ている横で、小学生がパンの袋を抱えている。小学生の名は青葉。青葉は夜から咳が止まらない。咳は空へ向かず、人のいるほうへ折れる。折れる先に、今日は魔物がいた。 魔物は、施設の排水溝から出た。 大きさは犬ほどで、形は殻と膜が喧嘩したまま固まっている。背に厚い甲板、腹に人の肌のような薄膜。薄膜は近くの顔を借りたがる。借りそこねて、青葉の目の位置だけを再現した。再現した目で、青葉を見た。 「還りたい」と魔物は言った。声は青葉の咳に似ている。 箕輪が容器を落とした。落ちた容器の粉が、魔物の腹に貼りつく。貼りついた瞬間、魔物の甲板が一度鳴った。 鳴りは産みたがる音で、腹の膜はそれと別に、散らばった細胞の位置を探していた。 探した先に、瀬戸と、高校生と、黒い作業着の一人とがいる。三人の喉が、同時に塩を思い出して重くなった。 「撃つな」と黒い作業着の男が言った。男は銃ではなく、細い針のケースを持っている。 「殻を割ると子が散る。膜を焼くと、焼け残った細胞が別の血を探す。両方やるな、がうちの手順だ」 「うち、とは」と箕輪が聞いた。 男は答えなかった。答えの代わりに、針を魔物の甲板と膜の境へ刺した。刺した場所から、モニターが昨夜返した二文字が、肉色の表面に浮いた。浮いた字を、還熱会の誰かが読んだ。 読んだ瞬間、瀬戸が膝をついた。 祭の夜と同じ姿勢だ。瀬戸は一つで読む役を、もう保てなかった。 「集まってる」と瀬戸は言った。「この街の底だけじゃない。味を知った喉が、互いに位置を覚えはじめている。 それと、下の殻は、この事故を産卵の咳だと思っている」 高校生がクレアの店の戸を開けた。高校生の名は黒川。黒川は青葉の手を引き、魔物から距離を取りながら言った。 「店に、粉の匂いが移動してます。移動先を、あの黒い人たちが地図にしてる」 窓の外で、魔物がもう一匹、排水溝から肩を出した。二匹目は顔を借りない。 借りないかわりに、空の薄い一角を向いていた。向いた甲板の隙間から、赤い前の光が漏れている。光は神ではない。 先に落ちたものと、後から落ちたものとが、同じ都市の配管で、ようやく手足を持ちはじめた証だった。 箕輪は容器を拾い直し、録音を始めた。 「観測記録。未同定生物。呼称は現場仮名でいい。殻側を、、、、残滓、膜側を、、、、残滓とする。二つは競合していない。競合の前に、同じ夜を選んでいる」 還熱会はビラを捨て、碑の方角へ下がりはじめた。黒い作業着は針をしまい、青葉の咳の回数をメモした。メモの端に、小さい字がある。クレアには読めない。読めるのは、自分の舌の裏だけだった。味はもう、店の中だけに収まっていなかった。
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人間の学校というものは、どうにも奇妙な場所である。算数では答えを間違えるなと教え、国語では相手の気持ちを考えよと教え、道徳では人を大切にせよと教える。ところが、その同じ学校で、子どもが「一緒に着替えたくない」と小さな声を上げても、教室が足りぬ、時間が足りぬ、先生が足りぬと言って、その声を後回しにしてしまうことがある。小学校の体育や水泳の授業で、男女が同じ空間で着替えている学校がまだ少なくないという。 国は男女別の更衣スペースを求め、プライベートゾーンを大切にする教育も始まっている。 それなのに現場では、低学年だから、昔からそうだから、場所がないから、という理由で、子どもの恥ずかしさが軽く扱われている。 だが、恥ずかしいという感情は、わがままではない。 それは、自分の身体は自分のものである、という最初の境界線である。 ここから先は見られたくない。 ここから先は踏み込まれたくない。 その感覚を大切にされて初めて、子どもは他人の境界線も大切にできるようになる。 大人はよく言う。 「子どもだから気にしない」 「低学年ならまだ大丈夫」 しかし、それは大人が気にしていないだけである。 子どもは言葉にできぬだけで、ちゃんと見られることを知っている。 比べられることを知っている。 嫌だと言えば空気を悪くするかもしれないと、黙ることまで覚えてしまう。 恐ろしいのは、着替えそのものではない。嫌だと言えない環境に慣れさせてしまうことである。 もちろん学校にも事情はある。 空き教室は少ない。時間割は詰まっている。 教員はすでに限界まで働いている。 だが、だからこそこれは個々の先生の努力だけに押しつけてはいけない。自治体が実態を把握し、学校が仕切りやカーテンや時間差を工夫し、保護者もまた「それくらい」と流さず、子どもの尊厳を守る仕組みに変えねばならぬ。 更衣室がないなら、知恵を出す。 時間がないなら、優先順位を変える。 教員が足りないなら、制度として支える。 子どもの身体の安心は、余った時間で配慮するものではない。  教育の土台である。 学校とは、ただ知識を教える場所ではない。 自分の身体を大切にしていいのだと、子どもが最初に社会から教わる場所でもある。 その場所で「嫌だ」という声が聞き流されるなら、どれほど立派な教科書を並べても、教育はどこかでほころびている。
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さて本日は、名古屋大曽根へ といっても目的地は三菱電機 名古屋製作所ではなく、充填包装機メーカーの東陽機械製作所さんへ。電気CAD導入から定着させるまでの苦労話を聞いてきました いやー、トップと現場、今と将来、ベテランと若手というあらゆる板挟みに苦労した話を聞き、DXやらデジタル化の推進担当のツラさが分かりました 当時の経営陣の命令で電気設計に電気CADのEplanを導入したのですが、トップダウン過ぎて社内はドン引き。今の担当者も事前ヒアリングで「ウチにはいらない。合わない」と答えたにもかかわらず、トップの一存で導入がきまり、しかも担当に抜擢。社内の誰もが効果を疑問視、反対だったにも関わらず強引に導入が決まったことから、EPLANというツールも担当者も、まわりからの印象は大マイナスで大逆風が吹いているところからのスタート この時点で僕なら担当を辞めたくなる。。。 はじめは担当者もトップの指示のeplan使用をスルーして無視してたけど、さすがに圧に屈して1枚だけ図面を作成。そして、それを現場におろしたら酷評の嵐。 現場や技術を知らない若僧が、なんか勝手に数字や指示が入っていて、今までとは違う形式の図面を出してきたので、製造現場のベテランらは自分の職域や技術を否定された気がして大激怒。俺たちのルール、今までの現場のやり方と違うから読めない、やり方を戻せと担当者へ向けて非難殺到。しまいにゃeplanの図面はやりたくないという声も聞こえてきたそうで 僕ならここでも辞めたくなる。。。 それでも担当者はグッと堪えて、現場の言う通りに修正を繰り返す。そして意地でも昔のツールを使わず、eplanで描いて出図して修正というのを何回も何回も粘り強くやったことが響いたのか、少しずつ現場のやり方に近い図面が描けるようになり、且つ現場もeplan式図面に慣れてきたことから関係も改善傾向に。今では設計部門は新規案件の図面は100%eplanで描き、現場はそれをもとに作る形まで進んだとのこと 猛反対にあって、文句も沢山言われるなかで、なんでそこまでできるのか?腐って辞めたくなかったのか?と担当に聞いたところ、「社命であって自分から好き好んで始めたわけではないけれど、言われっぱなしは悔しいし、なんとか踏ん張って最後に見返してやるという気持ちが一番。それと、新しいツールを使うことは自分のスキルアップになるし、まだ自分がうまくできていないから言われるのであって、成長すりゃ言えなくなるから頑張るんだ」とのこと。 いやー、その心の強さと意識の高さに泣けてくる さらに、トップが代わり、eplan導入を強引に進めた方が退任し、次の代表に変わった後も、手綱は緩めずeplan活用を推進 その理由については、 「現場の製造部門も高齢化してきていて、新しい人が来たり、外部の協力会社にお願いする時、情報の足りない図面を出されてもその人たちは作れない。今の自社のやり方では未来がない。 だったら、誰でも一見で作れるような図面を作っておけば、未来はつながる。そういう仕組みを作りたいんだ」とのこと まわりや会社のことを考え、中長期のことも見ているのだから、本当にスゴイ。このおかげで、設計製造プロセスだけでなく、製品やサービスのあり方、考え方なんかにも影響を及ぼしているようです とは言え、今はマイナスからのスタートを挽回し、逆風が弱まった程度。まだまだ本格的に運用するのはこれからとのこと。いやー、ホント心が強い などなど にしても、DXが進まないのはトップの力不足だーなんてことをよく聞きますが、今回のように、トップがリーダーシップを発揮して入れても現場がソッポ向いて進まないケースもあるんですね。 結局、導入前に、それを入れる意図や目的、背景、期待する効果なんかが説明不足で、関係者に同意がとれてないのが大問題。そこをクリアし、言質がとれていれば、ここまでこじれるのは避けられるんしゃないかと想像します。そこが一番難しいんでしょうけど。。。 ちなみに、この東陽機械製作所さん、僕らの知ってる食品や医薬品やらの充填包装やパッケージの機械を作っています。あさげやゆうげ、ブレンディのスティックコーヒー、永谷園のお吸いものなどなど。粉系の小さな包装が得意です 基本、装置はカスタムで、お客の要望に合わせて一品一様で作るので、大手なんかからも声がかかるとのこと。いやー見知ったパッケージを見るとテンション上がりますし、いつもありがとうございますと感謝しちゃいますね笑
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BAR「グラスとコトバ」は、主催のサントリーによる丁寧なインサイト調査の痕跡が感じられて面白かった。 ぜひ、マーケ視点でも感想を綴っていきたい。 いまの気持ちを「コトバ」にし、そこからバーテンダーにカクテルを作ってもらうというこの企画。 ヒット曲の歌詞や、作家などの著名人によるフレーズなど珠玉のコトバたちに、一杯の酒が出逢う。 もっと気軽にバー文化を体験してほしい、ちょっとした日常にバーを加えてほしい、そんな思いで企画したイベントなんだとか。 そんな思いに共鳴し、全国からバーテンダーが集まっているという。 「このイベントのために有給を取った」と語るバーテンダーの姿に、この企画が現場から愛されていることが伝わってきた。 広告では生み出せない熱量とは、こういうものなのかもしれない。 さらに、帰り際に一包みのパンフレットを渡された。 開くと、参加バーテンダーが普段働いている店舗リスト、そして一枚のコースターが同封されていた。 『裏面の余白に「今の気持ち」をご記入ください。あなたの気持ちに寄り添うカクテルをご用意させて頂きます』 実は先日、『世界のビジネスエリートが身につける教養 文化人類学』を読んでいて、サントリーの商品開発について興味深い事例を知った。 缶酎ハイ「−196」の新シリーズ「果物がおいしいチューハイ」を開発したときの逸話だ。 これだけ色々な商品やサービスが溢れた時代、アンケートや売り上げ数値など定量化できる指標だけでは見えない側面があるとの思いから、サントリーではある新しい調査手法を採用したという。 文化人類学者が用いる「参与観察」と、定量的な調査を混ぜ合わせた混合的な調査方法だ。 ひとつの異文化を調査するとき、文化人類学者は実際に何ヶ月も何年もその集団と共に過ごし、そこで得た観察結果をレポートする。 この商品開発では、実際に消費者の家を訪ね、一緒に何度かお酒を飲むことでインサイト分析を深めたんだとか。 イベントは一夜限りで終わる。でも、わたしの中には「今度あの店へ行ってみよう」という、小さな習慣の種が残った。 消費者には、商品を売るのではなく、文化を日常へ持ち帰ってもらう。 業界に向けては、広告費では届かない形の浸透を残す。 その二軸設計の巧みさに、マーケターとして唸ってしまった。 わたし自身、よく『白州』や『六』を見つけるたびに飲んでいる。 お酒に、そしてバーという文化に、触れる最初の一歩をどう作るか。 このイベントでサントリーが設計した答えは、商品を売り込むのではなく、日常に「ハレ」を差し込むきっかけを提供することだった。 女性一人でバーに行くと、正直あまり愉しくないことも多かった。でも、リストを信じて出かけてみようと思えた。お気に入りの服を着て、そんなちょっとだけ特別な夜に。
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【保存推奨】求人票って「結局どこまで本気にしていいの?」に現場からお答えします。 そもそも求人票は、モデルさんが着た通販の写真みたいなもの。同じ服でも自分が着れば印象はまるで違う、その前提で1つずつ“翻訳”していくと、 ・アットホームな職場 → 距離が近い。裏を返せばプライベートも筒抜けのことも ・風通しがいい → 意見は言える。通るとは書いていない ・裁量が大きい → 自由の顔をした「教える人がいない」の場合あり ・若手が活躍中 → 上が続かず椅子が空いているだけのことも ・実力主義 → 数字が出ない月の保証はたいてい薄い ・やりがいのある仕事 → 給与の話を避けたいときの言葉のことも ・成長できる環境 → 手厚い研修か放り込んで自走かで真逆 ・アットホームでノルマなし → “なし”ではなく“見えないだけ”のことも ・みなし残業◯時間込み → その時間は「働く前提」で設計されている ・想定年収◯◯万 → 残業代と手当を全部足した、いちばん高い日の数字 ・幹部候補募集 → 今の幹部が根付いていないというサインのことも ・平均年齢が若くて活気 → 勢いか上が定着していないかの二択 ・完全週休二日“制” → 「完全週休二日」とは別物。隔週の月もある ・急成長中につき増員 → 仕組みが人数に追いつかず一人の負荷が重いことも ・こだわりの強い社長 → 相性が全て。ハマれば天国、外れれば毎日が交渉 ・未経験歓迎 → “未経験者が活躍中”とは別。入口が広いだけの合図 共通しているのは「短所を長所の言葉に言い換えている」か「いちばんいい数字だけを見せている」ものです。 ほめ言葉の裏の一文を探す視点、数字を最大値でなく最低保証で読むクセ。このあたりが、まず安全。 求人票を「嘘つき」と決めつけたいわけではなくて書く側にも都合がある、という当たり前を読む側も1つ持っておいてほしいんです。 いまは企業のほうが「選ばれたい」と必死な売り手市場。有効求人倍率が高い時期ほど求人票の言葉はふくらみます。受け取るだけの人から翻訳できる人へ。この読み替えができるかどうかで、入ってからの後悔がまるで変わります。 参考になったら、いいねとブックマーク、そしてリポストで次に転職する誰かにも渡してもらえたら嬉しいです。
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転職先を選ぶとき、いちばん当たる情報は、口コミでも年収でもない。あなたが面談中に感じた、なんとなく嫌だ、という予感だ。それは、体感で8割当たる。 面接官が、こちらの目を見ずに時計をちらちら見る。現場の社員には会わせてくれない。ネガティブな質問をすると、露骨にはぐらかす。頭では、条件はいいし、と自分を納得させる。だが、体のほうは、もう答えを出している。 人は、都合の悪い予感ほど、なかったことにしたがる。内定が出た嬉しさで、違和感に蓋をする。そして入社初日、あの時の予感は、だいたい的中していた、と気づく。 条件は、紙に書いてあることだ。予感は、紙に書けなかった空気を、あなたが読み取った結果だ。どちらが本当のことを言っているかは、入ってみれば分かる。 内定は、ゴールじゃない。感じた違和感を、勇気を出して口に出せるかどうかの、入口だ。 嫌な予感がしたのに、条件に押されて飛び込んで、半年で後悔した人を、私は何人も見てきた。
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「わからない」は、支援者が早く埋めるべき空白なのだろうか。支援では、相手の行動の理由(意味)を探すことが多い。必要なことであると思う一方で、理解しようとするほどその人自身が見えなくなることもあるように感じる。 答えを急がず、わからないまま関わることについて、現場での出来事から考えました。
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Claudeに聞きました 飛騨トンネルと南アルプストンネルの違い 飛騨トンネルと南アルプストンネルの違いですね。前回、飛騨トンネルがリニア南アルプス採用の前例になったと触れた、その比較です。飛騨トンネルの諸元(長さ・土被り・難工事の中身)を正確に確認してお答えします。飛騨トンネルと南アルプストンネルの違いですね。前回「飛騨トンネルがリニア南アルプス採用の前例になった」と触れた、その二つの比較です。結論を先に言うと、**両者は「超深部・断層・高圧湧水」という根本的な難しさを共有し、飛騨が南アルプスの直接の手本になっています**が、種類・規模・段階、そして決定的に「水の意味」が異なります。順に整理します。 ## 飛騨トンネルとは何だったか まず飛騨トンネルの実像を押さえます。これは東海北陸自動車道の、飛騨清見ICと白川郷ICの間で籾糠山(標高1744m)を貫く、全長10,712m(約10.7km)の道路トンネルで、道路トンネルとしては国内3位の長さです。1996年に着工し、2008年の開通まで約11年を要した、「20世紀最後のビッグプロジェクト」「最後の難関」と呼ばれた難工事でした。 その過酷さは数値が物語ります。**最大土被りは1,000mを超え、水圧は5.4MPa(55kgf/cm²)、最大湧水量は毎分70トン**――これは青函トンネル(土被り240m、水圧24kgf/cm²)を上回り、毎分70トンは人口32万人規模の都市の1日の上水に匹敵する量でした。地質も複雑な不良地山・断層破砕帯・高圧湧水帯ばかりで、**投入された世界最大級のTBM(先進坑の「天生太郎」径4.5m、本坑の「夢天生2000」径12.84m)は、貫通まで残り約300mの地点で、巨大な地圧(土圧)に押し潰されて停止し、機体の一部を壁に残したまま放棄された**のです。膨張性地山では路盤が60cmも持ち上がり、鋼製支保工が破断しました。総事業費は約1000億円。それでも――青函トンネルや安房トンネルと違い――**死亡事故ゼロを達成**したことが、特筆されます。 ## 両者の違い この飛騨トンネルと南アルプストンネルを比べると、違いは次の点にあります。 **第一に、種類が違う。** 飛騨は自動車(道路)トンネル(暫定2車線の対面通行)であるのに対し、南アルプスは**時速500kmの超電導リニアが走る鉄道トンネル**です。リニアは最急勾配を40‰と大きく取れるなど、断面も勾配も換気も性格が異なります。 **第二に、規模が桁違いに大きい。** 飛騨が約10.7kmなのに対し、南アルプストンネルは**約25km**(山梨7.7km・静岡8.9km・長野8.4km)で、2倍以上の長さです。ある現地の記録は、南アルプスを「飛騨トンネルと比べても比較にならない全長、規模、深度のもの」と評しています。 **第三に、段階が違う。** 飛騨は2008年に**完成した実績**であるのに対し、南アルプスは**いまだ建設中**で、結末は未確定です。 **第四に、地質的な難しさは共通だが、その「顔」が違う。** 両者とも土被り約1000m級・断層破砕帯・高圧突発湧水・軟弱地山という、同種の困難を抱えます。実際、JR東海は南アルプスの畑薙山断層帯について、土被り約800〜1,100mで約10kmにわたり断層帯沿いに掘ることになり、高圧突発湧水や大きな土圧のリスクを認めています。ただし飛騨の「顔」が、TBMを二度も押し潰した**膨張性地山(地圧)**だったのに対し、南アルプスの「顔」は、**中央構造線と糸魚川‐静岡構造線という二つの巨大構造線に挟まれた、多数の断層**です。 ## 最大の違い ―― 「水の意味」 そして決定的な違いが、**水の意味**です。 飛騨トンネルにとって、毎分70トンの高圧湧水は、あくまで**掘削中の“工事上の脅威”**でした。水を抜きながら掘り進めればよく、抜いた水が誰かの生活を脅かすという問題ではなかった。 ところが南アルプストンネルでは、水は**“下流の水資源を奪う”という政治的・環境的な障壁**になります。トンネルは大井川の地下約400mを通り、トンネルに湧き出た水は、そのまま**大井川から失われる水**を意味する。約60万人の生活用水源である大井川の流量が減る――この一点が、飛騨が経験しなかった、静岡県との長年の対立を生みました。さらに、静岡工区は基本的に下り勾配で掘る計画ですが、畑薙山断層帯を静岡側から下向きにNATMで掘ると、断層・破砕帯で高圧突発湧水が生じて切羽周辺が水没するリスクがある、と国の資料も認めています。**「水を抜けば済む飛騨」と「水を抜くこと自体が問題になる南アルプス」**――ここが本質的な違いです。 ## 関係 ―― 飛騨は「手本」であり「警告」でもある 最後に、両者の関係を。前回触れたとおり、**飛騨は南アルプスの直接の前例**です。JR東海は国の資料で、「地質の脆い箇所でTBMを用いて掘削に挑戦したトンネル事例」として飛騨トンネルを明示的に挙げ、その経験を南アルプスに生かすとしています。飛騨の「調査坑」は、南アルプスの「先進坑」と同じ役割です。そしてJR東海は、土被り約800mの超大土被り区間を「最新の計測・設計・施工の技術を用いて、貫通させる覚悟」だと述べています。 しかし、この手本は**二面的**です。一方で飛騨は、「土被り1000m超・断層・高圧湧水の山岳トンネルでも、TBMとNATMを組み合わせれば貫ける」ことを実証しました。だからこそ南アルプスルートが採用された。他方で飛騨の教訓は、警告でもあります。飛騨の技術者は「飛騨トンネルクラスの現場をTBMのみで貫通できることはあり得ない」「今後はTBM・NATM・シールドを条件に応じて組み合わせるハイブリッドだ」と総括しました。実際、二台のTBMは潰れ、貫通に11年を要した。南アルプスはそれより長く、深く、不確定要素に満ちている。ある現地の記録は、飛騨には「明確な目的と現実的なバランス感覚」があったが、南アルプスはそれを欠き工期も読めない、と批判的に対比しています(これは一つの見方です)。 ## まとめ 整理すると、飛騨トンネルと南アルプストンネルの違いはこうです。**共通点**は、土被り約1000m級・断層破砕帯・高圧湧水という、同種の超難工事であり、飛騨が南アルプスの技術的な手本だということ。**相違点**は、(1)飛騨は道路、南アルプスはリニア鉄道、(2)約10.7km対約25kmと規模が2倍以上、(3)飛騨は完成済み、南アルプスは建設中、(4)地質の「顔」が膨張性地山か二大構造線か、そして何より**(5)飛騨の水は「工事上の脅威」にすぎなかったが、南アルプスの水は「大井川の水資源を奪う」政治的障壁になる**――この最後の点が決定的な違いです。 前回の問い(JR東海は南アルプスを貫けるか)に引きつければ、飛騨トンネルは、その答えの両面を象徴しています。「土被り1000m超の山も現代技術で貫ける」という**希望の根拠**であり、同時に「TBMも潰れ11年かかった」という**困難の証言**でもある。南アルプスは、その飛騨の技術を受け継ぎながら、より大きな規模と、飛騨にはなかった「水をめぐる対立」という新たな次元を抱えて、いままさに掘り進められているのです。
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本日、集団浅慮の読書会@人事図書館に参加いたしました。 名古屋商科大学髙木先生の思考への誘いや、参加者の皆さんの様々な思考を聞く機会があり、1人読書とは違う味わい方を体感できました。 「集団浅慮(group think)」 どこの国でもどんな組織でも起こりうる。集団心理。威力は強大で、一度傾いたら台風の渦のように吸い込まれるように抗いがたい圧力が生じてしまう。 抗うのは難しい。 鍵はチームとしてのゴール・目的、それに合わせた運営方法の言語化、そして一人ひとりへの落とし込みなのかなと改めて感じます。 デジタル・AIで意識付けや習慣化、型化もやりようは多様なのは追い風 集団浅慮の抑制と一体感が持つ強みは相反ではなくきっと両立できる。そんな気がします。 まだ霧の中にいるイメージですが、最終的に答えは現場にしか無いので、また来週から現場にダイブしたいと思います。 髙木先生、@miki_hrdesignさん、参加者のみなさま、ありがとうございました!
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『#口に関するアンケート』# ⠀⠀⠀⠀ネ̤タ̤バ̤レ̤注̤意̤❽ 残された音声が持つ真の目的  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 皆さんの考えを #口に関するアンケート答えました# をつけ て証言してくだ さい。 「さらに表示」でネタバレ ⠀ 口口口口口口口口口口口口口口口 口口口口口口口口口口口口口口口 ⠀ 映画の合間に挿入される、スマートフォンの不気味な録音画面。物語が進むにつれ、観客が耳にしていた大学生たちの生々しい証言は、警察の取調室で語られたものではなく、事件現場にぽつんと残されていた音声データだったことが判明する。 彼らはなぜ、極限状態の中でわざわざ録音ボタンを押したのでしょうか?それは自分たちの身に起きた真相を伝えるため?それとも、その音声を再生した“次のターゲット”をあの丘へと呼び寄せるための呪いの呼び水? 少なくともこの映画を観た”あなた”は残された音声を聞いたのですよね? 聞いたのですよね? 聞いたのですよね? 聞きましたよね? 聞きましたよね? 聞きましたよね? ご協力ありがとうございました。
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