昔、会議で一度も発言しない同僚がいた。
どれだけ議論が白熱してても、ずっと黙ってメモを取ってる。上司に「意見ある?」と振られても「特にないです」で終わる。正直、「やる気ないんだろうな」と思ってた。
ある日、会議後にその人のノートが見えた。
異常だった。発言者ごとに色が分かれてて、「誰が何を言ったか」じゃなくて「誰が何を守りたいか」が書いてある。A先輩の欄には「数字より現場の納得を優先」、B先輩の欄には「短期の売上が最優先」とだけ。
「これ、何のメモですか」って聞いた。
同僚はあっさり言った。
同僚「会議って、意見を戦わせる場じゃなくて、誰が何を通したいか確認する場なんよ。中身で議論しても通らん。通したい人の利害に乗せた瞬間に通る」
頭を殴られた気がした。
あの人は黙ってたんじゃない。会議室の力関係を、毎回そこで確認してただけだった。
その人が使ってた根回しの技術は4つ。
・会議で決めようとしない。会議は「承認の場」にする
・議題を出す前に、反対しそうな人に個別で先に話す
・その人が守りたいものを、自分の提案の中に入れる
・自分の手柄にしない。「〇〇さんの意見を形にしました」で出す
飲みに行った時、その人が言ってたのが、
同僚「会議で正論を言って撃沈する人、めちゃくちゃ多いだろ。正しさで人は動かんのよ。動くのは、自分の利益が守られる時だけ」
もし今、正しいことを言ってるのに全然通らないって人がいたら、中身じゃなくて順番を疑ってみてくれ。通らないのは、内容が悪いんじゃなくて、根回しをしてないだけかもしれない。
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